今年2月1日に、チッコリーニは世を去った。89年の彼の生涯は戦争に翻弄されたが、普通の演奏家とは逆行するようなマエストロに成した。
第二次世界大戦後の混乱期、チッコリーニはバーで弾いて生計を立てていた。誰もが自分自身の事に件名でバーで聞こえてくるピアノの音楽まではゆとりがなかった。
そんな酔っ払いや女性目当ての客の喧騒の中で弾かれるピアノが次第に心をとらえ、やがて彼の演奏に耳を傾ける人々が増えてホールが静寂になってしまった。若いピアニストには、そうした瞬間が喜びだった。
20歳の若者だったチッコリーニは「戦争のおかげで10代を楽しめなかった。すべての戦争は人類にとって、必要のないもの」と言い切る。
人間の声や弦楽器と違い、音と音の間に切れ目のあるピアノは人工の楽器。
そのピアノを弾くピアニストは生涯かけて微分音をつなぎ、レガートの幻想を究めなければならない。
チッコリーニのレパートリーのスタートは、スカルラッティ、パイジェッロ、メルカダンテらナポリ楽派の鍵盤奏法に始まり、レコード愛好家に彼を認識させるものとなったものでした。そのカンタービレの流麗さを失わないまま、内面の芸術を深めて行く。形而上的ベルカントとも呼べる円熟は、リストの宗教性に傾斜した音楽は深いのに、わかりやすいピアノ音楽にしている。それはバーの客の耳を釘付けにさせた彼ならでは、ジャズ・ピアニスト寄りの魅力に等しい。
チッコリーニのピアノの音色は真珠のネックレスのように音の粒がきれいにそろっている。タッチに芯があり、ペダルを踏んでも決してぼやけないクールな趣きながら、気持ちを安らぐ花束のようだ。
| 品番 | 34-18054 |
|---|---|
| 商品名 | FR VSM C069-11664 アルド・チッコリーニ リスト・コンソレーション&伝説&愛の夢 |
| レコード番号 | C069-11664 |
| 演奏者 | アルド・チッコリーニ |
| 作曲家 | フランツ・リスト |
| 録音種別 | STEREO |
| ジャケット状態 | M- |
| レコード状態 | EX |
| 製盤国 | FR(フランス)盤 |
| カルテ(器楽) | COLOR STAMP DOG、STEREO (120g)、Release 1972 |


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