NL PHILIPS 420 161-1 アンドレ・プレヴィン ウィーン・フィル エーファ・リント クリスティーン・ケアーンズ ウィーン・ジュネス合唱団 メンデルスゾーン「夏の夜の夢」

34-20428

一斉に妖精の羽ばたきが始まる。 ―  最初の木管楽器の柔らかく軽やかな音色から、聴くものを幻想的な世界に誘う屈指の名盤。弱音部分の美しさに耳を傾け、聞き惚れてしまった。いったい、何人の妖精たちが羽ばたいているのやら。とてもキュートな妖精が、たくさん周りに取り囲んでいる。序曲部分の弦のこまかな動きを初めとして、描写の豊かさもあるが、夜想曲のような暖かみある、ゆったり感が良い。客演でも、その演奏効果を十分にオーケストラから引き出すアンドレ・プレヴィン。重厚一筋のオーケストラからだろうと、しなやかさを引き出せるのは彼ならでは。その反面となるのが、得手・不得手がとても分かりやすい指揮者のようです。ロンドン交響楽団時代のプレヴィンこそ、若き日にジャズピアニストとして培ったリズム感と、ハリウッド映画の作曲を通して身に付けた音楽の伝わり方のわかり易さと手際良さ、そして指揮法の師であるピエール・モントゥー譲りのオーケストラを自在に操るテクニックとが一気に開花した絶頂期にあった。そのロンドン響を指揮した1976年盤に続き、プレヴィンにとっては2度目の録音となった『真夏の夜の夢』。本盤でも、プレヴィンの卓越した指揮にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が見事に応え、幻想的な音世界を創り出している1985年録音盤。 いや、合奏の精度で及ばない。このウィーン・フィル盤の方がリズムの切れが良く、軽やかだ。響きのムードも一枚上で、有名な「結婚行進曲」などで違いが出た、世評の高い名盤です。歌手もこちらの方が可愛らしく曲に合っている。全体に表情がおおらかで、音楽が伸びやかで、音色も美しく、おそらくこの曲に対してある程度共有的に期待されている表情のイマジネーション、例えば幻想的な音楽の起伏、メルヘン的な色彩、あるいはユーモア・ロマンといった要素を、最大公約数的に持つ演奏。ハリウッド映画の作・編曲家であったプレヴィンならではの演出の巧さが光る。プレヴィンの演奏は、あくまでも淀みのない流れと瑞々しいリズムが信条。この曲に相応しい爽やかなテクスチュアと無理のないテンポが心地よく、奇を衒ったところのない素直なフレージングがどこまでも続きますが、さりげなく施されている内声の絡み合いの充実ぶりにプレヴィンの天才的な冴えを感じずに入られません。上品でソフトな語り口が、この作品にふさわしいものです。

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