GB DECCA LXT5353 ヴィルヘルム・バックハウス カール・ベーム ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン・ピアノ協奏曲3番

34-20752

商品番号 34-20752

通販レコード→英オレンジ銀文字盤 FLAT

古武士のようなベームの指揮と四つに組んで ― ヴィルヘルム・バックハウスは即興的ともいえる自由度で曲想に切り込み、ベートーヴェンが入り口を開いた傑作の森に肉薄する。かといって両者とも美しさも忘れはしない。やはり〝黄金コンビ〟と言うべきか。まだ若書きの「第2番」はクレメンス・クラウスの典雅な色どりが効果的で、バックハウスも古典志向の美しい演奏を聞かせる。1795年の「第2番」から1798年の「第1番」を経て、1803年にはピアノ協奏曲第3番が完成された。ベートーヴェンとしては人生のあらゆる苦しみや悩みを通り抜けたあとだけに、内容の上で著しく深味を増している「第3番」は音楽自体が段違いの成長をみせるが、演奏はどちらも上質。剛のカール・ベームと柔のクラウスといった指揮も気品に満ちた演奏だ。ある意味で対照的な指揮者バックによるピアノ協奏曲、「第2番」はバックハウスの出来としては、むしろハンス・シュミット=イッセルシュテットと組んだステレオ録音の方が上かもしれないが、「第3番」は断然、このモノーラル録音の方を取りたい。バックハウス+ベーム+ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団という組み合わせは、正規のスタジオ録音ではモーツァルトの「ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595」以外にはないのだから甚だ貴重なことでもあるが、これ以上の演奏はちょっと考えられないからである。ここにはなにか実演的な雰囲気が漂っている。ベームの存在感が感ぜられ、後年のステレオ録音には見れぬバックハウスの豪胆さも味わえます。バックハウスは翳の濃いテンポの変化を自由に和えながら全く即興風に弾きまくっており、良い意味の無神経さと素朴さを土台にしながら音楽の最も深い精神を探り当てているのだ。タッチにしろ表現にしろ、表面はいかにも無雑作だが内部に芯の通った点では類がない。もしも、現代の録音と音質的に遜色を感じさせないレコードの中で最高のピアニストは誰か、と問われたらなんの躊躇もなくバックハウスをまず挙げるだろう。その理由は、大作曲家が残したピアノ音楽をフィルタリング越しではない演奏を聴けることを重視しての回答だ。およそ、ソロと名がつくものは、その楽器独特の癖が鼻につく。ピアノにはピアノだけが持つ美感があるが、反対に音楽を離れたピアノ独特のいやらしさがある。それはテクニックと音色、という2つの要素が生み出すのだ。声楽は、その最もたるものであろう。それがポップスや、ジャズ・シンガーではすべてが魅力だが、オペラが苦手とする向きにはドラマ上の人物ではなく、歌手自体が生身で感じられるところだろう。それらのいやらしさを感じさせずに直接、音楽を結び付けられたら。その好例がピアニストの場合バックハウスの演奏は、ピアノという楽器を忘れさせる。職人的な要素が全く昇華されて音楽そのものとなってしまうのだ。ウィーン・フィルの弦や木管群の上手さを今更言うまでもないだろう。ここにはウィーン風という言葉で表現される以上の厳しく深い音楽が生み出されたのである。

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