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リリー・クラウスの絶頂期の記録

日本人が愛するモーツァルトの名盤を、日本軍によって失っていたかもしれない。拘留され第二次世界大戦終結まで軟禁された女流ピアニスト。
通販レコードのご案内《仏ディスコファイル・メタル使用盤》US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モーツァルト ピアノ奏鳴曲K.457/K.284/K.475
ディスコフィル・フランセ録音

モーツァルト弾きとして知られるリリー・クラウスの最高傑作盤です。米ハイドンソサエティの本盤は、晩年の米国コロムビア盤と比して若い所為か情熱を内に秘めた、生命感に溢れる演奏です。 他のピアニストと比べると、自由自在なテンポ設定でフォルテは強いタッチで鳴らし非常に個性的です。
- ピアノソナタ第14番 ハ短調 K.457
- ピアノソナタ第6番 ニ長調 K.284
- 幻想曲 ハ短調 K.475
モーツァルトの音楽の持つ多様性を過不足なく的確に表現し、このフレーズはこうでなくては、と云うまさに正鵠を得た最高の演奏を聴かせてくれる。演奏家は身体で勝負するだけに、心身の衰えを如何にカバーしていくかが難しい。特に女性の場合、多くはそれに結婚・出産などが重なる。全身全霊を傾けた命がけの演奏家として、宇野功芳氏が挙げるのはアルゲリッチ、デュ・プレ、チョン・キョンファそれにリリー・クラウスと、みな女性だが長く第一線を保ち続けたのはクラウスぐらいで、彼女を驚異と宇野氏は捉えている。
彼女らは、いわゆる女性的なものを押し出さず、火のような情熱と作品に切り込んでいく深みにおいて男性奏者に匹敵する。しかし、このまま死んでもいいというほどの燃え尽き方を男性奏者は絶対にしないものではないか。ハンガリー生まれのリリー・クラウスは「モーツァルトは燃え立つ火です」と語っているが、クラウスの演奏にはパッションの炎が確かに感じられる。当時の演奏家としてはテンポの緩急の巾が大きく、ダイナミクスの変化にも激しさを見せるのは、内面から湧き上がる情熱が自然体として表層に上がってきた音楽で、現代の演奏家が大ホールに響き渡るような派手なパフォーマンスを恣意的に行っているものとは根本的に異なるものです。
ハ短調ソナタ K.457このソナタは、幸福感に満ちたK.330からK.333の4曲に続いて作曲された作品で、きわめて劇的な性格を持ったソナタであり、後のベートーヴェンにもっとも強く影響を与えた作品だといわれています。また、このソナタはK.475の《幻想曲ハ短調》とセットで演奏されることが多くて、その関係が昔からいろいろと取りざたされてきた作品でもあり、このレコードでも第6番を挟んで演奏されています。モーツァルトが2曲をその順序に組み合わせて出版したためでもあるのですが、しかし、両曲とも途中に明るいハ長調の部分があるにしても、基調はハ短調で深刻な情緒が支配的ですから、《幻想曲》だけ切り離して演奏したほうが効果的だという説も少なくありません。 モーツァルトが活躍した当時のコンサートではソナタの演奏に先立って幻想曲風の即興演奏を披露する事がよくあったそうです。このハ短調ソナタはモーツァルトの弟子であったトラットナー夫人のために書かれたもので、同じ調であるハ短調の幻想曲は彼女がコンサートで演奏するときのために、前半で披露する即興演奏のものとしてあらかじめ作曲したものではなかったのかというのが現在の定説となっています。手本としてモーツァルトが譜面にしたためた幻想曲を、夫人がいかに即興演奏としたかは想像を出ませんが、しかし、当時のピアノの可能性を限界まで使い切ったと思えるほどに広い音域とダイナミックな音量が求められるこのソナタを提供されたトラットナー夫人はそれなりの技量を持った女性であっただろうことが想像されます。 第6番のピアノソナタは、オペラの上演のために冬を過ごしたミュンヘンでデュルニッツ男爵からの注文に応えて作曲した、19歳の時の作品です。ニ長調という性格からも、明らかにハイドン風の特徴を持っていますが、今までの即興演奏などでため込んできたあれこれのアイデアをここに凝縮してまとめたものと思える、規模が大きく、まるで交響曲をピアノ用に編曲したような風情だといわれてきました。また、第3楽章の大規模な変奏曲形式はモーツァルトのソナタとしては他に例がなく、厳格な父レオポルドもこの作品をとても高く評価していました。とりわけ33小節にも及ぶアダージョ・カンタービレの第11変奏は本当に美しい音楽です。 ベートーヴェンに影響を与えた強烈なソナタと、即興演奏の風情のあるピアノ作品を組み合わせた、リリー・クラウスの演奏はモーツァルトの書いた音符を正確にバランスよく響かせることに意を注ぐのではなくて、モーツァルトが音符を使って書いた「心のドラマ」を再現しようと言うものです。譜面をめくる音も聞き取れることから、細切れの録音ではなく何回かテイクをとって、そのうちベストのものを採用しているようです。そのことも、このレコードの価値を高めているのかもしれません。彼女の演奏に虚心坦懐に耳を傾ければ、モーツァルトがこの音楽にこめた深い感情がヒシヒシと伝わってきます。そして、「人生は美しい、人生は生きるに足る」というモーツァルトのささやきが心に染みいってきます。リリー・クラウスのピアノはくっきりとしたフレージングで、モーツァルトのピアノ・ソナタなどは最近よく聴くような軽やかで透明感があるようなものとはまったく違って、正統派にして刺激的な歯ごたえがある。神経質では無い思い切りの良さが有る意味〝男性的〟ですが、モーツァルトに対する途方も無く深い愛情を本質に持つので、どの曲を聴いていても少しも飽きることなくモーツァルトの音楽がどんどんと心の中に浸みこんで来ます。
1956年パリ録音。通販レコード詳細・コンディション、価格
プロダクト
- レコード番号
- HS-9056
- 作曲家
- ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
- 演奏者
- リリー・クラウス
- 録音種別
- MONO
コンディション
- ジャケット状態
- M-
- レコード状態
- M-
- 製盤国
- US(アメリカ合衆国)盤
“Haydn Society” DARK GREEN WITH SILVER LETTERING, MONO 1枚組 (170g), Stamper 仏ディスコファイル メタル XTV 使用盤。通販レコード
詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。- オーダー番号34-25929
- 販売価格5,500円(税込)
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民族音楽への興味 ― 歌というものに対して不親切な時代における、ひとつの光明だ。

旋律は音楽の魂である。

“3大ヴァイオリン協奏曲”というのがある。ベートーヴェン、メンデルスゾーンに、ブラームスかチャイコフスキーの、何れかが挙げられる。 ― 3曲目が難しいので、“4大”にすると激論にならない。しかし、ほかにもヴァイオリン協奏曲には名作が数多い。
“10大”となれば必ず入選するのが、ドイツの作曲家マックス・ブルッフの代表作、ヴァイオリン協奏曲第1番だ。 -
“Refuge in Music” クラシック音楽のごちそうさん 110歳の天寿

Farewell Alice Herz-Sommer! We are saddened to hear that the visionary musician and survivor of the Theresienstadt concentration camp died yesterday. Her love of music and belief in its power brought solace and hope to many in one of history’s darkest hours.
Daniel Hope interviewed Herz-Sommer just a few months ago as part of the documentary “Refuge in Music”, a tribute to the musicians of the concentration camp “Terezin”. You can learn more about the film here: http://bit.ly/TerezinDVD
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指揮者クラウディオ・アバドをしのんで

音楽を楽しむ。それがピシっとした指揮姿から良く感じられたクラウディオ・アバドが亡くなって今月20日で、ひと月となる。
エグモントの音楽
BSプレミアムでは2014年2月10日、2つの演奏会が放送された。
前半は2012年のルツェルン音楽祭から、演奏会の様子は9月2日に Medici.tv で放送された。演奏会は8月10日。全体的にまだらな空白が客席に目立つのはマーラーの交響曲第8番からベートーヴェンの『エグモント』とモーツァルトの『レクイエム』に変更になったからだろう。この二曲なら大きいホールは必要ではなかったと思えるように、音響が遠い。迫力は薄めだけど、その分残響に助けられて聴きやすい。前半のベートーヴェンは、序曲は聴きなじんだもの。期待通り、セオリー通りの音楽となっていた。ソプラノのユリアーネ・バンゼのグレートヒェンは清楚な印象。ブルーノ・ガンツは語りで PA を使用したものでしたが全体整っていて違和感はなかった。
オーケストラの中にクラリネットのザビーネ・マイヤーを見つけた。
後半のレクイエムはオーケストラも加わったことで、前半の音響はかなり改善されている。ただ合唱の響きがオーケストラを圧するところがある。でも、キャパが大きい効果か澄んだ音楽に仕上がっている。
モーツァルトと弟子たちの共作としての《レクイエム》
ソプラノはアンナ・プロハスカ。バスはルネ・パーペ。テノールのマキシミリアン・シュミットはペーター・シュライアーを思い出させる。アルトのサラ・ミンガルドも理想に合う。リヒターが指揮した『レクイエム』の大好きな録音に並ぶ。
『レクイエム』はモーツァルトの最後の未完の作品であるのはご存知でしょう。自筆で残っているのは最初の2曲のみ。あとは弟子に口述して引き継がせました。あちらこちらにモーツァルトが完成していたら、もっと違う音楽に広がったんじゃないかなと思えるポイントが有ります。アバドはそういう期待も思わせながら、モーツァルトが描き上げた部分も書き上げなかった部分も一体とした音楽を作ります。
多くの録音が前半、後半と切り替える雰囲気があるのにアバドはアーメンをブリッジにして後半に音楽の気持ちを引き継いでいる。各曲を細切れにすること無く本来のプログラムがマーラーの千人の交響曲だったことを思い起こさせた演奏になった。
永遠の安息を、そして永遠の光に
現代の時間の中で再構成されたモーツァルトの音楽といえるだろう。言い換えれば、古楽演奏を学びとはしているけれどもモダン・オーケストラで楽しく聞かせていると言えば分り易いだろうか。
この演奏は現代音楽の響きに馴染んだ耳も楽しませる。もし《レクイエム》かぁ、と食指を伸ばさなかったままだったら後半だけでも聞き返して欲しい。もちろんいろいろなモーツァルトのレクイエムを聞いてきていたら、複数の版があるのを面白く並べ替えているというパズル的興味も持たされる。
最後のアーメン・フーガがまるごとカットされていて、そのかわり無音の中でアバドは一分間指揮棒を旨に抱いたまま黙祷する。
死は嘆き、省みるものではなくて生きている人が先に進むためにあるものなのです。
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Maria Callas, 1963

『マリア・カラスの真実』(フランス2007年。日本では2009年公開)は、マリア・カラスの生涯に焦点を当てたドキュメンタリー映画です。
有名なオペラ歌手ですが、後年、睡眠薬大量摂取での自殺未遂、睡眠薬や興奮剤を乱用し、肺血栓で53歳で亡くなりました。
なぜ、命を縮めるようなことを行い、50代という若さで亡くなったのでしょうか。映画は彼女の生涯を追います。
母親は男の子を望んでいましたが、生まれたのは女の子マリア。失望した母親は4日間も受け取りを拒否・・・マリアの兄が2歳で脳膜炎で亡くなり、母親は次の子は男の子を、と青い産着まで用意したそうです。
歓迎されず、居場所もありませんでした。6度の引っ越し。セールスマンの父は不在がち。家族団欒もありません。ハーレムの近くに引っ越しますが、母親は環境に馴染ませようとせず、部屋に閉じ込め、通りで遊ぶことも禁じました。
マリアは自分を無口で汚いと思っていて、学校では友人がなく「友達と遊んでも楽しくなかった」と彼女は語ります。
唯一の友、飼っていた小鳥に歌っていたマリアの歌の才能に気づいた母は条件付きで愛するようになります。
また母親は、自身の大女優になる夢を押し付けた部分もあったようです。映画の中でマリアが語ります。
「自分で決めた道ではなく、家族が決めた。家族と摩擦を起こさない為、従うしかなった」
「母がレールを敷いた。母は仕切っていた」
「親の代わりに出世しろ」
「お前の為に犠牲を払った」
「母からお金をくれないと新聞にぶちまける、と強請られた」とまで語る。そんな母親 を、晩年まで許せなかったそうです。映画は「この世に彼女の居場所はない。声だけが残った。」というナレーションの後、彼女の歌声で幕となります。
Maria Callas, 1963, in Paris, accompanying herself on the piano.
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待望のメンデルスゾーン
6歳の6月6日に習い事をはじめると、上達が早いと言われています。お花とか、お茶とかではなくて今ではピアノなど楽器を習うこどもが多いことでしょう。ショパンが最初のポロネーズを作曲したのが、6歳、7歳の頃でした。神童と呼ばれたモーッアルトも、四歳の時から楽器を操るようになりましたけれども、きちんと自筆で作曲をはじめたのは6歳の頃だったと思います。
習い事をはじめる日のほかに、今日は「家族団らんの日」ともなっているそうです。根拠はよみうりテレビが1993年に「大阪ほんわかテレビ」を放送開始したことに、二年後この日を「ほんわかの日」と定めたというだけのことです。
でも、子どもたちが家庭で楽器を練習しているのを家族で囲んで見守るのってテレビを見ながら過ごす団らんより素敵です。シューマンとクララの仲むつまじい夫婦。ナンネルルとアマデウス姉弟。と団らんを感じさせる作曲家の中でも、フェリックスとファニーのメンデルスゾーン姉弟ほど仲の良い姉弟はないでしょう。
弟のフェリクスは、曲を書き上げると真っ先に姉のファニーに聴かせていました。姉が注意をすると素直に書き改めたほどです。当時女流ピアニストとしてサロンで人気だったファニー・メンデルスゾーンの実践的な助言に従っていたのでしょう。ふたりの姿を描いた絵画は、まるでロマンティックな恋人同士のようです。
今年はメンデルスゾーンの生誕200年を祝うアニヴァーサリーです。メンデルスゾーンの最も有名な名曲といえば「ヴァイオリン協奏曲」。6月6日の午後11時から、今では最高の女流ヴァイオリニストのアンネ・ゾフィ・ムターがデビュー盤以来の待望の新録音を行ったコンサートが放送されます。期待に胸がふくらみます。放送を見ての感想を、改めて記事にいたします。( JUGEMテーマ:クラシック音楽 )
ウイークエンドシアター ムターのメンデルスゾーン
チャンネル:BShi
放送日:2009年 6月 6日(土)
放送時間:午後11:00~翌日午前0:34(94分)
「バイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」 メンデルスゾーン作曲
(バイオリン)アンネ・ゾフィー・ムター
(管弦楽)ライプチヒ・ケヴァントハウス管弦楽団
(指揮)クルト・マズア
~ドイツ・ライプチヒ・ケヴァントハウスで録画~
「ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品49」
メンデルスゾーン作曲
(バイオリン)アンネ・ゾフィー・ムター
(チェロ)リン・ハレル
(ピアノ)アンドレ・プレヴィン
「バイオリン・ソナタ ヘ長調(1838年)」
メンデルスゾーン作曲
(バイオリン)アンネ・ゾフィー・ムター
(ピアノ)アンドレ・プレヴィン
~ドイツ・ウィーン楽友協会 ブラームスザールで録画~
CD+DVD:UCCG-1451 ¥5,000(¥4,762) ドイツ・グラモフォン
[2009年1月28日発売]2009.06.06 Saturday 22:00 -
雨の日の午後は、室内楽を
いよいよ梅雨入りのようですね。熊本は朝からしとしとと雨が降り続けています。雨が降り続けると、スピーカーの鳴りも鈍くなっていきます。気持ちもうっとうしくなりますが、どういう音楽を聴いたらいいでしょう。こういう日によく聴いている一枚が、グァルネリ・トリオ、プラハのブラームス「ピアノ三重奏曲第1番(プラハ・ディジタル PRDDSD250230 ヨーロッパ盤、CD)」です。

ブラームスには「雨の歌」という晩年に作曲したロマンティックで素敵な曲もありますが、若い時の曲はベートーヴェンを思わせる雄渾な主題を聴かせてくれるさわやかな曲あります。「ピアノ三重奏曲 ロ長調」もそんな名曲。作品8といえば、モーツァルトやメンデルスゾーンだと十代の時ですけれども、二十歳の時にシューマンに出逢い、その妻クララに恋心を持ってから作曲を本格的にはじめています。それ以前に作曲を試みていないというわけではありませんが、19歳以前のものは記録は残っていますが、自己批判を重ねていたブラームス自身が廃棄したために一切残されていません。(死後も、ブラームスは楽譜を手元に残していませんし、書きかけのスコアはクララの死後燃やしています。)
ピアノとヴァイオリン、チェロのシンプルな編成ですが、ふくらみのある響きを楽しめるのがピアノ三重奏曲という室内楽のジャンル。弦楽四重奏曲をコンパクトなオーケストラと喩えられますけれども、ピアノ協奏曲を聴くような趣を楽しみましょう。
ブラームスのピアノ三重奏曲は、シューマン、メンデルスゾーンと並ぶピアニストにとっては至極難曲。ピアニストだけが突出していてもちぐはぐ感を感じさせます。スーク・トリオの演奏盤を第一に、ボザール・トリオ、カッチェン、スーク、シュタルケルのDECCA盤、ピリス、デュメイ、ワンのDG盤。そこに一枚くわえたいのが、グァルネリ・トリオ、プラハが2007年にリリースした録音です。
グァルネリ・トリオ、プラハのメンバーは、写真奥からチェコ・ショパン協会の会長を歴任していたイヴァン・クラーンスキー( Ivan Klánský, piano )、チェネク・パブリク( Čeněk Pavlík, violin )、マレク・イェリエ( Marek Jerie, cello )。1986年に結成されたチェコの室内アンサンブルで、ヴァイオリンは1735年製のグァルネリ・デル・ジェス「ジンバリスト」。チェロはアントニオ・グァルネリの1684年製です。リリースしているCDは、Diapason d’Or, Le Monde de la Musique, Choc を受けています。
楽器の質感から全体の雰囲気までも録らえられていますので、うっとうしくて鈍くなりがちなスピーカーでも鮮やかに音像を展開してくれます。ブラームスは1854年に作曲したこの「ピアノ三重奏曲 ロ長調」を1891年に改訂していますので、晩年の習熟した技術と、若い瑞々しい楽想が相まっていて、今の季節に聴くのにはふさわしい楽曲だと思います。[ JUGEMテーマ:クラシック音楽 ]
2009.06.03 Wednesday 18:00 -
いつも外れて歩いているけど目的には真っ直ぐさ
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ビートルズ・サウンドの仕掛け人、フィル・スペクター氏に終身禁固の判決。
【ロサンゼルス30日AFP=時事】6年前に女優を殺害した罪に問われた伝説的音楽プロデューサー、フィル・スペクター被告(69)に対し、米ロサンゼルスの裁判所は29日、第2級殺人罪で19年後に仮釈放の可能性がある終身刑判決を言い渡した。≪写真は判決を聞くスペクター被告≫
カリフォルニア州法によれば、2028年まで仮釈放の可能性はなく、その機会に釈放されなければ終身刑となる。
スペクター被告は1960年代に「音の壁」と呼ばれる録音テクニックを生み出し、ポップ音楽界で最も影響力のある人物の1人とみられていた。ビートルズ、ティナ・ターナー、ライチャス・ブラザーズ、ザ・ロネッツなどと組んで名声を博した。
同被告は03年2月に女優のラナ・クラークソンさん(当時40)を自宅で銃により殺害したとして起訴された。
判決が読み上げられた時、ピンストライプのスーツと白いシャツに赤いネクタイ姿の同被告は何ら反応を見せなかった。無罪を主張している同被告の弁護人は控訴する方針を明らかにした。
公判中検察側はスペクター被告について、自分と別れようとした女性に対して暴力を振るう経歴を持ち、銃に取り付かれた奇矯な人物として描き出した。〔AFP=時事〕「ぼくはレコード業界を少し変えようと考えている。つまり、普遍的なサウンドを創造しようと思うんだ」~フィル・スペクター。1960年代の、いまから思えばお粗末な編集システムを使って「音の壁(ウォールサウンド)」と名付けられた夢のような音空間を作り上げてきた音楽プロデューサーのフィル・スペクター氏は、アレンジャーとしてもミュージシャンとしての才能もあり、ジョン・レノンの「ラヴ」ではピアノ演奏をもしています。「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」にストリングスやコーラスを重ねることはポール・マッカートニーは納得出来なかったようです。フィル・スペクターはビートルズの最後のアルバム「レット・イット・ビー」でプロデュースを担当したあと、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターのアルバムをプロデュースするようになります。ジョージ・ハリスンとの三枚組のレコード「オール・シングス・マスト・パス」は、ロック・アルバムの金字塔と高い評価を受けています。フィル・スペクター氏の作り上げる音の壁は、クラシック音楽のワグナーを思わせます。彼自身の言葉にもあります。「曲作りはワグナーの歌劇のように構築されていく。最初はシンプルだけど、最後にダイナミックな力と意図と目的を持ったものになる。」2009.05.31 Sunday 17:00 -
愛する人を誰か欲しくない
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あなただけを~シュールリアリスティック・ピロウ
昨日のmaccoさんの記事を読んで、書きたくなったのでaが記事を投稿します。
Don’t you want somebody to love?
Don’t you want somebody to love?
Wouldn’t you love somebody to love?
You better find somebody to love, love愛する人を誰か欲しくない?
愛する人を誰か必要じゃない?
愛する人を見つけたほうがいい一度耳にすれば知らず知らず口ずさんでしまいます。
「あなただけを」は、ジェファーソン・エアプレインのアルバム「シュールリアリスティック・ピロウ」から生まれたフラワー・ソングの名作。リード・ヴォーカルをとっているのが、グレイス・スリック女史。女性ロッカーのカリスマで、ジャニス・ジョプリンに比肩できる女性ヴォーカルでしたから、女史と呼びたくなります。松任谷由実さんが目標としたシンガーで、「グレイス・スリックの肖像」を作曲していました。シングル盤では「守ってあげたい」のB面だったので、よく耳にしました。今でも通用するおしゃれなファッションですね。最近は画家としての活動が主なようです。最後にスターシップに参加してステージに立ったのは2001年のことでした。今もお元気です。
グレート・ソサエティにいたグレイス・スリック女史が、アルバム「シュールリアリスティック・ピロウ」に参加して、ジェファーソン・エアプレインはサイケデリック・ムーヴメントを先導するグループになりました。「あなただけを」はグレート・ソサエティで最初に、グレイス・スリック女史が歌っています。
ジェファーソン・エアプレイン「シュールリアリスティック・ピロウ」
1967年2月発売の3rdアルバム。
録音:1966年10月31日から11月22日にかけて。
収録時間:33分40秒。
プロデューサー:リック・ジャラード。
エンジニア:デヴィッド・ハッシンガー。
監修;ジェリー・ガルシア。
曲目:
(SIDE-A)
1. “She Has Funny Cars” (Marty Balin / Jorma Kaukonen) – 3:12 おかしな車
2. “Somebody to Love” (Darby Slick / Grace Slick) – 2:58 あなただけを
3. “My Best Friend” (Skip Spence) – 3:01
4. “Today” (Marty Balin / Paul Kantner) – 2:59
5. “Comin’ Back to Me” (Marty Balin) – 5:18 帰っておくれ(SIDE-B)
6. “3/5 of a Mile in 10 Seconds” (Marty Balin) – 3:41 恋して行こう
7. “D.C.B.A. -25” (Paul Kantner) – 2:37
8. “How Do You Feel” (Tom Mastin) – 3:31 素敵なあの子
9. “Embryonic Journey” (Jorma Kaukonen) – 1:53 旅する前に
10. “White Rabbit” (Grace Slick) – 2:30
11. “Plastic Fantastic Lover” (Marty Balin) – 2:37 (気まぐれな恋)メンバー:
Marty Balin – vocal
Grace Slick – vocal, piano, organ, recorder
Paul Kantner – rhythm guitar, vocal
Jorma Kaukonen – lead guitar
Jack Casady – bass
Spencer Dryden – drumsオリジナルはモノラル盤
Notes:
Released on a black/silver RCA Victor label with ”Nipper” on top and ”monaural” at the bottom.オリジナル・リリース:(初発盤)
US RCA VICTOR LPM-3766 LP MONO
US RCA VICTOR LSP-3766 LP STEREO
UK RCA VICTOR RD-7889 LP MONO
いずれも1967年の発売ですが、英国盤は曲順が次のように違います。USオリジナルの、A-1,B-10,B-11が別の曲に変更されています。曲目:(英国盤)
(SIDE-A)
1. “My Best Friend” (Skip Spence) – 3:01
2. “3/5 of a Mile in 10 Seconds” (Marty Balin) – 3:41 恋して行こう
3. “D.C.B.A. -25” (Paul Kantner) – 2:37
4. “How Do You Feel” (Tom Mastin) – 3:31 素敵なあの子
5. “Embryonic Journey” (Jorma Kaukonen) – 1:53 旅する前に
6. “Don’t Slip Away”(Skip Spence)–2:31・・・US盤1stアルバム「TAKES OFF」B-4(SIDE-B)
7. ”Come Up The Years”(Paul Kantner)– 2:30・・・US盤1stアルバム「TAKES OFF」B-1
8. “Chauffeur Blues”(Lester Melrose)– 2:21・・・US盤1stアルバム「TAKES OFF」B-5
9. “Today” (Marty Balin / Paul Kantner) – 2:59
10. “Comin’ Back to Me” (Marty Balin) – 5:18 帰っておくれ
11. “Somebody to Love” (Darby Slick / Grace Slick) – 2:58 あなただけをUK盤は合計で3分ほど時間が短い。
ジャケット・デザインは、マーティー・バーリン。
余談ですが、ジェファーソン・エアプレインのサウンドの特色だったフィドラー、パパ・ジョン・クリーチ氏は来日して青江美奈さんの録音にも参加していました。[ JUGEMテーマ:USロック ]
2009.05.11 Monday 12:19 -
自分の思う通りに、殻を破れ
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グラスハウス/ピアノマンが生まれた日
5月9日は、ビリー・ジョエルの誕生日。今年でちょうど60歳のお祝いは賑やかだったのかも。1949年生まれの生粋のニューヨークっこ。ビートルズを十代後半で聴いて、ロック・ストリートに歩みを入れたと言います。ピアノでロックする、ギター・サウンドではありませんから独特の都会いっぽさが彼を印象づけるものとして先走っているのではないでしょうか。日本でもあっという間に受け入れられたのは、「ストリートライフ・セレナーデ
」、「ニューヨーク物語
」。そして77年の「ストレンジャー
」、78年の「ニューヨーク52番街
」と評価が高まっていったから。その後ポップな印象が、ストレートなロック色を強めていったと思われているのではないかしら。80年に発売された「グラス・ハウス
」で方向転換をしたといわれますが、わたしはむしろビリー・ジョエルが持っていたゴスペルといってもいいでしょうか、スピリチュアルなところに立ち返ったことで大きな事だったと考えます。
レコードに針をおろすといきなりガラスの割れる音がします。クリアなサウンド、シャープな音に当時驚きました。その頃はサウンドの方にばかり耳がむいていて、わくわくとして聞いていました。ビリー・ジョエルが自分自身の周りに築いていた殻を打ち破る響きだったんですね。そんなおもいでCBSからのファーストアルバム「ピアノ・マン
」を聴くと別の聴き方が出来ます。(a)[ JUGEMテーマ:USロック ]
2009.05.10 Sunday 00:50 -
トイデジ・クエスターです。
今日から3人目のブログ・ライターとして加わりました。
FM-WOODSTOCKのホームページ(www.fm-woodstock.com/)を担当しているアマデウスレコードです
。わたしの相棒
はトイデジの、「VQ1015CLASSIC 」です。
相棒にはなったばかりで、一週間をともにしている程度ですけれども。このトイデジ、同じように写しても気まぐれに記録されるのが面白いところです
。
店頭を撮影してみました。
どうでしょう、良い雰囲気出ていると思われませんか。
身の回りのものを写したものを紹介していきたいと思います。もちろん、音楽のお話もいたしますから。
よろしくお願いいたします
(アマデウスレコード)[ JUGEMテーマ:トイデジ ]
※クリックすると大きなサイズで写真を見ることが出来ます。2009.04.16 Thursday
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ショパン作曲 夜想曲第9番ロ長調作品32第1













