DE DECCA SXL6386 クラウディオ・アバド ジェームズ・キング ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 アンブロジアンシンガーズ ブラームス・リナルド 運命の歌

34-18145

商品番号 34-18145

通販レコード→独ナローバンド ED4盤

ブラームスの秘曲ともいえるカンタータ ― アバド唯一のセッションになるブラームスの『リナルド』ではテノールのジェームズ・キングを起用して、決して息苦しくならない、むしろ明るい希望を予感させるオペラティックな表現に特徴がある。クラウディオ・アバドは、1966年2月~1969年1月の間、デッカにLP9枚分の録音を行いました。この時代のアバドは文字通りフレッシュな演奏をしている。アバドが最もアバドらしい時代の演奏群で、大変すばらしい演奏ばかりです。彼のデビュー盤はベートーヴェンの「第7交響曲」でした。今までこういった演奏をする人はおらず、聴衆には大変な刺激になったであろう事がよくわかります。その他、現在ほとんど演奏される機会の無いブラームスの『リナルド』、当時は野心的なプログラムだったブルックナーの「交響曲第1番」やヒンデミットの録音など、若き日のアバドによる劇的で鮮烈な名演が刻まれています。ブラームスの秘曲ともいえるカンタータ。後年、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でヨナス・カウフマンをソロに迎えてのライヴもあるので思い入れがあったのだろう。本盤はその、最初の録音。ブラームスは、いうまでもなくオペラを書かなかった作曲家で、それどころか表題音楽的な作品も非常にすくない。そんなブラームスの、オペラに一番近いジャンル作品がこのカンタータ。ブラームスの30歳台の作品で、「ドイツ・レクイエム」と同時期。『リナルド』の原作は、ゲーテの詩による。聖地へ向かう航海の途上、魔法使いのアルミーダの誘惑にとらわれてしまう十字軍に参加した戦士リナルド。それを励ます仲間たちに助けられ、次第に彼を愛するようになったアルミーダも共に解放し、妃として一緒に帰還する、ハイドンやグルックもオペラとして取上げている物語。オーケストラと合唱とテノールのためのカンタータで、明快で聴きやすい。アルミーダ役の女声と対話するわけではなく、当然、どこをどう聴いても、ブラームスの響きがする。かなり謹厳な音楽をキングが楽しみやすく和らげている。普段ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスで聴きなれた、劇場向けの解放的な歌声が時として顔を出す。劇的というより〝演劇的〟な傾向で聴かせる、若き日のアバドの名演のひとつ。宗教作品でもないから、思ったほどの取っ付きにくさはなく、美しい旋律も豊富。アバドとキングの唯一の貴重な競演。健康的で明朗かつヒロイックな独唱、渋くしかし雄弁に語る合唱団(アンブロジアンシンガーズ)、安定感のある響きと各パートの個性的な音色が魅力のオーケストラ(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)、の三者を着実にしかもスケール大きく纏め上げているストレートでわかりやすい、若手指揮者らしい表現とも言える。アバドが好むヘルダーリンの詩による伸びやかな作品「運命の歌」は、真摯さや誠実さはこの頃から変わりなし。また合唱団の〝厚さ〟は『リナルド』同様に強烈なインパクトを与えてくれる。都合3度録音していて、どれもが素晴らしい演奏。ベルリン・フィルの退任コンサートでの演奏などは、涙を誘う名演なのだ。

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