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  • リリー・クラウスの絶頂期の記録

    リリー・クラウスの絶頂期の記録

    日本人が愛するモーツァルトの名盤を、日本軍によって失っていたかもしれない。拘留され第二次世界大戦終結まで軟禁された女流ピアニスト。

    通販レコードのご案内《仏ディスコファイル・メタル使用盤》US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モーツァルト ピアノ奏鳴曲K.457/K.284/K.475

    ディスコフィル・フランセ録音

    モーツァルト弾きとして知られるリリー・クラウスの最高傑作盤です。米ハイドンソサエティの本盤は、晩年の米国コロムビア盤と比して若い所為か情熱を内に秘めた、生命感に溢れる演奏です。 他のピアニストと比べると、自由自在なテンポ設定でフォルテは強いタッチで鳴らし非常に個性的です。

    1. ピアノソナタ第14番 ハ短調 K.457
    2. ピアノソナタ第6番 ニ長調 K.284
    3. 幻想曲 ハ短調 K.475

    モーツァルトの音楽の持つ多様性を過不足なく的確に表現し、このフレーズはこうでなくては、と云うまさに正鵠を得た最高の演奏を聴かせてくれる。演奏家は身体で勝負するだけに、心身の衰えを如何にカバーしていくかが難しい。特に女性の場合、多くはそれに結婚・出産などが重なる。全身全霊を傾けた命がけの演奏家として、宇野功芳氏が挙げるのはアルゲリッチ、デュ・プレ、チョン・キョンファそれにリリー・クラウスと、みな女性だが長く第一線を保ち続けたのはクラウスぐらいで、彼女を驚異と宇野氏は捉えている。

    彼女らは、いわゆる女性的なものを押し出さず、火のような情熱と作品に切り込んでいく深みにおいて男性奏者に匹敵する。しかし、このまま死んでもいいというほどの燃え尽き方を男性奏者は絶対にしないものではないか。ハンガリー生まれのリリー・クラウスは「モーツァルトは燃え立つ火です」と語っているが、クラウスの演奏にはパッションの炎が確かに感じられる。当時の演奏家としてはテンポの緩急の巾が大きく、ダイナミクスの変化にも激しさを見せるのは、内面から湧き上がる情熱が自然体として表層に上がってきた音楽で、現代の演奏家が大ホールに響き渡るような派手なパフォーマンスを恣意的に行っているものとは根本的に異なるものです。

    ハ短調ソナタ K.457
    このソナタは、幸福感に満ちたK.330からK.333の4曲に続いて作曲された作品で、きわめて劇的な性格を持ったソナタであり、後のベートーヴェンにもっとも強く影響を与えた作品だといわれています。また、このソナタはK.475の《幻想曲ハ短調》とセットで演奏されることが多くて、その関係が昔からいろいろと取りざたされてきた作品でもあり、このレコードでも第6番を挟んで演奏されています。モーツァルトが2曲をその順序に組み合わせて出版したためでもあるのですが、しかし、両曲とも途中に明るいハ長調の部分があるにしても、基調はハ短調で深刻な情緒が支配的ですから、《幻想曲》だけ切り離して演奏したほうが効果的だという説も少なくありません。 モーツァルトが活躍した当時のコンサートではソナタの演奏に先立って幻想曲風の即興演奏を披露する事がよくあったそうです。このハ短調ソナタはモーツァルトの弟子であったトラットナー夫人のために書かれたもので、同じ調であるハ短調の幻想曲は彼女がコンサートで演奏するときのために、前半で披露する即興演奏のものとしてあらかじめ作曲したものではなかったのかというのが現在の定説となっています。手本としてモーツァルトが譜面にしたためた幻想曲を、夫人がいかに即興演奏としたかは想像を出ませんが、しかし、当時のピアノの可能性を限界まで使い切ったと思えるほどに広い音域とダイナミックな音量が求められるこのソナタを提供されたトラットナー夫人はそれなりの技量を持った女性であっただろうことが想像されます。 第6番のピアノソナタは、オペラの上演のために冬を過ごしたミュンヘンでデュルニッツ男爵からの注文に応えて作曲した、19歳の時の作品です。ニ長調という性格からも、明らかにハイドン風の特徴を持っていますが、今までの即興演奏などでため込んできたあれこれのアイデアをここに凝縮してまとめたものと思える、規模が大きく、まるで交響曲をピアノ用に編曲したような風情だといわれてきました。また、第3楽章の大規模な変奏曲形式はモーツァルトのソナタとしては他に例がなく、厳格な父レオポルドもこの作品をとても高く評価していました。とりわけ33小節にも及ぶアダージョ・カンタービレの第11変奏は本当に美しい音楽です。 ベートーヴェンに影響を与えた強烈なソナタと、即興演奏の風情のあるピアノ作品を組み合わせた、リリー・クラウスの演奏はモーツァルトの書いた音符を正確にバランスよく響かせることに意を注ぐのではなくて、モーツァルトが音符を使って書いた「心のドラマ」を再現しようと言うものです。譜面をめくる音も聞き取れることから、細切れの録音ではなく何回かテイクをとって、そのうちベストのものを採用しているようです。そのことも、このレコードの価値を高めているのかもしれません。彼女の演奏に虚心坦懐に耳を傾ければ、モーツァルトがこの音楽にこめた深い感情がヒシヒシと伝わってきます。そして、「人生は美しい、人生は生きるに足る」というモーツァルトのささやきが心に染みいってきます。

    リリー・クラウスのピアノはくっきりとしたフレージングで、モーツァルトのピアノ・ソナタなどは最近よく聴くような軽やかで透明感があるようなものとはまったく違って、正統派にして刺激的な歯ごたえがある。神経質では無い思い切りの良さが有る意味〝男性的〟ですが、モーツァルトに対する途方も無く深い愛情を本質に持つので、どの曲を聴いていても少しも飽きることなくモーツァルトの音楽がどんどんと心の中に浸みこんで来ます。

    1956年パリ録音。

    通販レコード詳細・コンディション、価格

    プロダクト

    レコード番号
    HS-9056
    作曲家
    ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
    演奏者
    リリー・クラウス
    録音種別
    MONO

    販売レコードのカバー、レーベル写真

    • US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モ…
    • US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モ…

    コンディション

    ジャケット状態
    M-
    レコード状態
    M-
    製盤国
    US(アメリカ合衆国)盤
    “Haydn Society” DARK GREEN WITH SILVER LETTERING, MONO 1枚組 (170g), Stamper 仏ディスコファイル メタル XTV 使用盤。

    通販レコード

    詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
    • オーダー番号34-25929
    • 販売価格5,500円(税込)
  • 民族音楽への興味 ― 歌というものに対して不親切な時代における、ひとつの光明だ。

    民族音楽への興味 ― 歌というものに対して不親切な時代における、ひとつの光明だ。

    旋律は音楽の魂である。

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    “3大ヴァイオリン協奏曲”というのがある。ベートーヴェン、メンデルスゾーンに、ブラームスかチャイコフスキーの、何れかが挙げられる。 ― 3曲目が難しいので、“4大”にすると激論にならない。しかし、ほかにもヴァイオリン協奏曲には名作が数多い。
    “10大”となれば必ず入選するのが、ドイツの作曲家マックス・ブルッフの代表作、ヴァイオリン協奏曲第1番だ。

    (さらに…)

  • “Refuge in Music” クラシック音楽のごちそうさん 110歳の天寿

    “Refuge in Music” クラシック音楽のごちそうさん 110歳の天寿

    Farewell Alice Herz-Sommer! We are saddened to hear that the visionary musician and survivor of the Theresienstadt concentration camp died yesterday. Her love of music and belief in its power brought solace and hope to many in one of history’s darkest hours.

    Daniel Hope interviewed Herz-Sommer just a few months ago as part of the documentary “Refuge in Music”, a tribute to the musicians of the concentration camp “Terezin”. You can learn more about the film here: http://bit.ly/TerezinDVD

  • 指揮者クラウディオ・アバドをしのんで

    指揮者クラウディオ・アバドをしのんで

    音楽を楽しむ。それがピシっとした指揮姿から良く感じられたクラウディオ・アバドが亡くなって今月20日で、ひと月となる。

    エグモントの音楽

    BSプレミアムでは2014年2月10日、2つの演奏会が放送された。
    前半は2012年のルツェルン音楽祭から、演奏会の様子は9月2日に Medici.tv で放送された。演奏会は8月10日。全体的にまだらな空白が客席に目立つのはマーラーの交響曲第8番からベートーヴェンの『エグモント』とモーツァルトの『レクイエム』に変更になったからだろう。

    この二曲なら大きいホールは必要ではなかったと思えるように、音響が遠い。迫力は薄めだけど、その分残響に助けられて聴きやすい。前半のベートーヴェンは、序曲は聴きなじんだもの。期待通り、セオリー通りの音楽となっていた。ソプラノのユリアーネ・バンゼのグレートヒェンは清楚な印象。ブルーノ・ガンツは語りで PA を使用したものでしたが全体整っていて違和感はなかった。

    オーケストラの中にクラリネットのザビーネ・マイヤーを見つけた。

    後半のレクイエムはオーケストラも加わったことで、前半の音響はかなり改善されている。ただ合唱の響きがオーケストラを圧するところがある。でも、キャパが大きい効果か澄んだ音楽に仕上がっている。

    モーツァルトと弟子たちの共作としての《レクイエム》

    ソプラノはアンナ・プロハスカ。バスはルネ・パーペ。テノールのマキシミリアン・シュミットはペーター・シュライアーを思い出させる。アルトのサラ・ミンガルドも理想に合う。リヒターが指揮した『レクイエム』の大好きな録音に並ぶ。

    『レクイエム』はモーツァルトの最後の未完の作品であるのはご存知でしょう。自筆で残っているのは最初の2曲のみ。あとは弟子に口述して引き継がせました。あちらこちらにモーツァルトが完成していたら、もっと違う音楽に広がったんじゃないかなと思えるポイントが有ります。アバドはそういう期待も思わせながら、モーツァルトが描き上げた部分も書き上げなかった部分も一体とした音楽を作ります。

    多くの録音が前半、後半と切り替える雰囲気があるのにアバドはアーメンをブリッジにして後半に音楽の気持ちを引き継いでいる。各曲を細切れにすること無く本来のプログラムがマーラーの千人の交響曲だったことを思い起こさせた演奏になった。

    永遠の安息を、そして永遠の光に

    現代の時間の中で再構成されたモーツァルトの音楽といえるだろう。言い換えれば、古楽演奏を学びとはしているけれどもモダン・オーケストラで楽しく聞かせていると言えば分り易いだろうか。
    この演奏は現代音楽の響きに馴染んだ耳も楽しませる。もし《レクイエム》かぁ、と食指を伸ばさなかったままだったら後半だけでも聞き返して欲しい。

    もちろんいろいろなモーツァルトのレクイエムを聞いてきていたら、複数の版があるのを面白く並べ替えているというパズル的興味も持たされる。

    最後のアーメン・フーガがまるごとカットされていて、そのかわり無音の中でアバドは一分間指揮棒を旨に抱いたまま黙祷する。

    死は嘆き、省みるものではなくて生きている人が先に進むためにあるものなのです。

  • Maria Callas, 1963

    Maria Callas, 1963

    『マリア・カラスの真実』(フランス2007年。日本では2009年公開)は、マリア・カラスの生涯に焦点を当てたドキュメンタリー映画です。
    有名なオペラ歌手ですが、後年、睡眠薬大量摂取での自殺未遂、睡眠薬や興奮剤を乱用し、肺血栓で53歳で亡くなりました。
    なぜ、命を縮めるようなことを行い、50代という若さで亡くなったのでしょうか。

    映画は彼女の生涯を追います。

    母親は男の子を望んでいましたが、生まれたのは女の子マリア。失望した母親は4日間も受け取りを拒否・・・マリアの兄が2歳で脳膜炎で亡くなり、母親は次の子は男の子を、と青い産着まで用意したそうです。
    歓迎されず、居場所もありませんでした。

    6度の引っ越し。セールスマンの父は不在がち。家族団欒もありません。ハーレムの近くに引っ越しますが、母親は環境に馴染ませようとせず、部屋に閉じ込め、通りで遊ぶことも禁じました。
    マリアは自分を無口で汚いと思っていて、学校では友人がなく「友達と遊んでも楽しくなかった」と彼女は語ります。
    唯一の友、飼っていた小鳥に歌っていたマリアの歌の才能に気づいた母は条件付きで愛するようになります。
    また母親は、自身の大女優になる夢を押し付けた部分もあったようです。

    映画の中でマリアが語ります。
    「自分で決めた道ではなく、家族が決めた。家族と摩擦を起こさない為、従うしかなった」
    「母がレールを敷いた。母は仕切っていた」
    「親の代わりに出世しろ」
    「お前の為に犠牲を払った」
    「母からお金をくれないと新聞にぶちまける、と強請られた」とまで語る。そんな母親 を、晩年まで許せなかったそうです。

    映画は「この世に彼女の居場所はない。声だけが残った。」というナレーションの後、彼女の歌声で幕となります。

    Maria Callas, 1963, in Paris, accompanying herself on the piano.

  • Hello World!

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  • 音楽には不思議な力があります。

    音楽には不思議な力があります。

    NHKのラジオ番組「音楽の泉」の初回が1949年9月11日、放送された。静かな休日の朝をクラシック音楽とともに過ごすというテーマのもと、歴代パーソナリティは堀内敬三、村田武雄、皆川達夫が務め、現在は奥田佳道が担当。

    NHKの「音楽の泉」は、高級な音楽をレコードで味わい。その曲や作曲家や演奏者について誰にもわかるように、扱くやさしく、手短に解説するのが目的です。万人向きに、常識的に、聞き方なりや予備知識なりのエッセンスを伝えるものですから、独自の使命があるわけです。おもしろく話すという必要もあります。

    番組テーマ曲は当初からシューベルト作曲「楽興の時第3番」で、演奏者も時代ごとに異なり、現在はマリア・ジョアン・ピレシュの音源である。

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    五福公民館で行っています、が次回実行も未定です◉第73回蓄音機を楽しむ会のご案内

  • 今よみがえる伝説の名演奏

    今よみがえる伝説の名演奏

    ヘルベルト・フォン・カラヤンとレナード・バーンスタイン

    クラシック音楽館 今よみがえる伝説の名演奏

    「よみがえる伝説の名演奏」

    必見の音楽情報。今夜の9時から、NHK ETVで放送される「クラシック音楽館」は録画必須です。


    BSでも放送されたものですが、1970年代に撮影されたカラヤンとバーンスタインの映像が、最新技術で美しくなり、音もミキシングし直されて高音質で楽しめます。ドイツで冷凍保存されていた巨匠たちの名演、35ミリネガフィルムを8Kの高精細映像と立体音響でリマスター。新しい映像コンテンツに生まれ変わりました。

    チャイコフスキーの悲愴交響曲と、マーラーの交響曲5番。貴重映像を超えた、内容になっています。このセレクトはカラヤンとバーンスタイン、両巨匠の個性が最も分かりやすい演奏です。

    目を閉じて瞑想しているような表情のカラヤン。手のひらは見せることなく、手の甲と指先の動きで音楽の表情をつけていく。対して、全身でリズムを表現し、タクトの先には心の火を灯すようにオーケストラに魔法をかけて音楽の感情を作っていくバーンスタイン。 これからもわたしがよく例えに上げる、カラヤン・バーンスタイン感を、繰り返し見直せるようにして楽しんでください。

    両巨匠の個性の楽しみ方。

    第二次世界大戦中は、ナチスに協力する顔をしてドイツに留まったザルツブルグ生まれのカラヤン。アメリカで生まれアメリカで育ったバーンスタインがカラヤンと初めてであったのは1948年。カラヤン40歳、バーンスタイン30歳のときでした。

    その頃ウィーンでバーンスタインの演奏する日がある時は、前日と翌日にカラヤンの演奏会が開かれていたそうです。バーンスタインは「カラヤンの音楽は嫌いだが、ヤツの顔を見てみたい」とマネージャーにいったが、「あなたが行けば、マスコミがスキャンダラスに書き立てるから」と制された。そこで、翌日、演奏会へではなくお忍びでカラヤンの楽屋に行った。

    その後も立場的にもライバル的態度を世間にはとったが、二人はお互いを認めあっていた。

    カラヤンが亡くなるしばらく前のこと、カラヤンはバーンスタインに合同演奏会を持ちかける、バーンスタインは誘いを受けた。その時カラヤンが「ベルリン・フィル、ウィーン・フィルのどちらを指揮したいか」と尋ねたところ、バーンスタインは「ベルリン・フィルの音楽家は甘やかされすぎて、最早カラヤンを常任指揮者として望まなくなっている」という理由からウィーン・フィルでの演奏会を望んだ。

    左手の指先から音楽のドラマが生まれ出る

    今夜の番組でも、カラヤンはベルリン・フィルを振り、バーンスタインはウィーン・フィルとの演奏会。カラヤンが何を演奏しているのかというのは、左手の形でわかります。ベートーヴェンの運命では、肘をしっかり指先でガシッと掴む感じです。カラヤンの右手はなめらかに動いていますが、左手は胸の前に固定されています。その指の形に注意して観ましょう。

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  • DE DGG 2531 007 ダニエル・バレンボイム ピエール・ブーレーズ ピンカス・ズーカーマン アントニー・ペイ アンサンブル・アンテルコンタンポラン ベルク・室内協奏曲

    34-21087

    商品番号 34-21087

    通販レコード→独ブルーライン盤

    ほとんど狂気とも言えるような意図の上に成立している。 ―  世界を微分すると最後は「数学」に至る。自然の曲線に対して、人工の直線。その交差にこそ宇宙の理があるのだろう。自然は常に揺らいでいる。音楽も本来そうだ。しかしながら、音楽を譜面に落とした時、それは直線的なものと化す。記号をいかに読みとるかが、人間の頭脳であり、また心だ。すべては曖昧でなければならぬ。一般的なクラシック音楽はモーツァルト、ハイドンが活躍した頃を指す。現代から300年ほど前のこと、日本では江戸幕府が繁栄していた。西洋音楽の歴史を遡って行くと、最初の作曲家はヒルデガルト・フォン・ビンゲンと名乗る女性。神秘家であり、40歳頃に「生ける光の影」(umbra viventis lucis)の幻視体験をし、女預言者とみなされた。50歳頃、ザルツブルクのベネディクト会修道士聖ルペルトの一族の所有地であるビンゲンにて自分の女子修道院を作ったことで、通称で呼ばれている。自己体験を書と絵に残したほか、医学・薬草学に強く、ドイツ薬草学の祖とされる。彼女の薬草学の書は、20世紀の第二次世界大戦時にオーストリアの軍医ゴットフリート・ヘルツカにより再発見された。才能に恵まれ、神学者、説教者である他、宗教劇の作家、伝記作家、言語学者、詩人であった。音楽に対する興味を突き詰めていくと、数の問題にぶち当たる。古来、ピュタゴラスの時代から、音楽は数学同様、哲人にとって必須の学問であった。それは、いたるところに顔を出す。ヨハン・ゼバスティアン・バッハの音楽、近代ではバルトーク・ベラや新ウィーン楽派の面々の創造する音楽に。20世紀前半の音楽史に重要な功績を残した新ウィーン楽派の作曲家たちのなかで、アルバン・ベルクはある意味で特異な存在だったと言えるだろう。後期ロマン派から無調へ、さらに12音技法の創始者として、時代を切り開いていった師シェーンベルク。師の世界をさらに推し進め、前衛の時代の絶対的な規範となった盟友ウェーベルン。しかしながら彼らの道のりは同時に、20世紀の音楽が抱えることになった問題、すなわち聴衆との断絶を広げるものだった。そのなかでベルクはオペラ《ヴォツェック》によって興行的な成功を手に入れ、ストラヴィンスキーの《春の祭典》が20世紀音楽の古典と呼ばれるのと同じく、ベルクの《ヴォツェック》は1925年のベルリン初演以来、20世紀オペラの古典と評される。また「あなたの様式なら、無調の音楽やそれに対する否定的なイメージについて、突破口となるものが書ける」という依頼から、《ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出のために」》が生まれたように、十二音技法の中に調性を織り込んだ作風で知られる。結果、ベルクの音楽は最も早くから受け入れられ、そして最も愛されるレパートリーとなってきた。ベルクの「3」という数への異常なこだわりとか、ひとたびそのことに理解が及んだとき、ベルクの音楽に対しての愛着がもてるようになる。知的でありながら、単純で整頓された数学的構造で作曲されている。しかも、彼の音楽は知性豊かなだけでなく、エロスさえ内在している。

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  • FR DGG 2711 024 ピエール・ブーレーズ ストラータス ミントン ティアー マツーラ パリ・オペラ座管弦楽団 ベルク・ルル

    34-8980

    商品番号 34-8980

    通販レコード→仏ブルーライン盤

    豪華キャストによる精緻で隙の無い上演 ―  未完の傑作として名高い“ルル”ですが、未亡人ヘレーネは補筆を禁じ、完成していた2幕までと「ルル組曲」の抜粋という形で初演されたが、ここでは作曲家フリードリヒ・チェルハが第3幕を補筆完成したヴァージョンを使用してドラマとしての体裁がきちんと整えられています。1979年パリ・オペラ座でのピエール・ブーレーズ指揮、パトリス・シェロー演出、テレサ・ストラータス、イヴォンヌ・ミントン等、豪華キャストによる精緻で隙の無い上演。20世紀前半の音楽史に重要な功績を残した新ウィーン楽派の作曲家たちのなかで、アルバン・ベルクはある意味で特異な存在だったと言えるだろう。後期ロマン派から無調へ、さらに12音技法の創始者として、時代を切り開いていった師シェーンベルク。師の世界をさらに推し進め、前衛の時代の絶対的な規範となった盟友ウェーベルン。しかしながら彼らの道のりは同時に、20世紀の音楽が抱えることになった問題、すなわち聴衆との断絶を広げるものだった。そのなかでベルクはオペラ《ヴォツェック》によって興行的な成功を手に入れ、ストラヴィンスキーの《春の祭典》が20世紀音楽の古典と呼ばれるのと同じく、ベルクの《ヴォツェック》は1925年のベルリン初演以来、20世紀オペラの古典と評される。また「あなたの様式なら、無調の音楽やそれに対する否定的なイメージについて、突破口となるものが書ける」という依頼から、《ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出のために」》が生まれたように、十二音技法の中に調性を織り込んだ作風で知られる。結果、ベルクの音楽は最も早くから受け入れられ、そして最も愛されるレパートリーとなってきた。「歌う声による伴奏付き大オーケストラのための交響曲」となってしまった楽劇から、オペラを「退屈な劇」とすることなく、「人間の声に仕える芸術形式」へと取り戻すこと。そこにはオペラ作曲家としてのベルクの信念があった。そのために2作目のオペラである《ルル》にも、より拡大されて受け継がれている。

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  • GB DECCA SET418-21 ゲオルク・ショルティ ウィーン・フィル クレスパン ドナート ミントン ユングヴィルト リヒャルト・シュトラウス・ばらの騎士(全曲)

    34-21296

    商品番号 34-21296

    通販レコード→英ナローバンド ED4盤

    聴き所満載 ―  レジーヌ・クレスパン、ヘレン・ドナート、イヴォンヌ・ミントン、マンフレート・ユングヴィルトといった名歌手を配し、デッカ社がゲオルク・ショルティとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、豪華歌手陣を仕立てて最高の録音スタッフで真のプロフェッショナルとして作り上げた偉大な名盤。18世紀のウィーンにおける貴族の生活を舞台にした、リヒャルト・シュトラウスのオペラの中で人気の高い楽劇《ばらの騎士》。ショルティの名声を決定的にしたのはウィーン・フィルとのワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」の初のスタジオ録音(1958~65年)であったと言うのは論を待たないところだが、その歴史的なスタジオ録音を終了させた後に本盤セッションは行われた。ショルティはもともと『ばらの騎士』を高く評価しており、それは1959年にコヴェント・ガーデン王立歌劇場にデビューした際にこのオペラを採り上げていたことからも容易に想像できます。1968年録音の本盤を挟んで、デビューから25周年を祝った1985年の公演でも、ショルティは再びこの作品を上演した。自伝には亡くなる直前のリヒャルト・シュトラウスをショルティが訪ね、作品について教えを受けたことも書かれています。つまり彼の演奏は、作曲者直伝というわけです。さらに本盤で嬉しいのは、オーケストラがウィーン・フィルという魅力。リヒャルト・シュトラウスの活躍した世紀末から第一次世界大戦前夜の独墺は、絵画の世界では官能的なユーゲント・シュティール、クリムトやエゴン・シ―レ、建築界では後にバウハウスを創設したグロピウス、精神医学では、フロイトが活躍していた時代であり、ウィーンはまさに爛熟に域に達していました。ウィーンを舞台としたこのオペラにとって、彼らの響きが最も相応しいことは言うまでもないでしょう。ショルティの特徴とも言える強靭とも言えるリズム感とメリハリのはっきりとした明朗さが、リヒャルト・シュトラウスが施した華麗なオーケストレーションを細部に至るまで明晰に紐解くのに成功し、スコアに記された音符の数々を忠実に音化したという意味での完成度の高さは天下逸品。ショルティのややシャープに過ぎるアプローチに適度の潤いと温もりを付加させているのがウィーン・フィルの極上の美演であると言えるところであり、その意味ではショルティとウィーン・フィルが、お互いの相乗効果を発揮させている。成熟した女性の艶やかさと気品を併せ持つクレスパン、この録音の数年後にメトロポリタン歌劇場へのデビューをオクタヴィアンで飾ったミントン、そして最近は元帥夫人役でも活躍を続けるドナートと充実の歌手陣も魅力的。特に、彼女らの終幕の三重唱を是非お聴き頂きたい。元帥夫人をレジーヌ・クレスパンが歌っているのが最大のポイント。シュヴァルツコップとも違った繊細さで、〝パリのプリマ〟という呼び名に相応しい歌唱を聴かせてくれている。また、ファニナル家の執事長にはバッハ録音でも有名なクルト・エクヴィルツ、宿の主人役にはアントン・デルモータらも出演しています。さらに、第1幕で登場する歌手役にルチアーノ・パヴァロッティがフィーチュアされているなど、聴き所満載です。村上春樹「騎士団長殺し」にも〝ショルティ指揮ウィーン・フィルハーモニーの演奏のLP〟と珍しく具体的な盤まで指定して登場した歴史的名盤です。

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  • NL DECCA 6BB121/2 ゲオルク・ショルティ シカゴ響 ローレンガー ミントン バロウズ タルヴェラ ベートーヴェン・交響曲9番「合唱付き」

    34-17333

    商品番号 34-17333

    通販レコード→蘭ナローバンド ED4盤

    ベートーヴェンに正対している ―  ゲオルク・ショルティならではの筋肉質な演奏で、鮮やかに浮かび上がるベートーヴェンの交響曲特有のフォルムの美しさや堅牢さを味わえる。特に5、7、9番は2回目の全集より力強さとアグレッシブさが前面に出ており、より良い。知名度という点ではヘルベルト・フォン・カラヤン、レナード・バーンスタインと並ぶ、20世紀、特に戦後を代表する指揮者。なによりもショルティと関係良好だったウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と後世に語り継がれるオペラをウィーンのソフィエンザールで次々と録音している。すでに定評があるショルティならでは、半世紀にわたり一貫してDECCAに録音し数々の名盤を遺した重要なアーティストであり続けた。そのレパートリーは多岐にわたり、バッハからショスタコーヴィチまで幅広く網羅。おそらく有名交響曲作家で1曲もやっていないのはシベリウスぐらいではないか。ショルティは、1972年5月から1974年9月にかけて、シカゴ交響楽団を指揮して初のベートーヴェンの交響曲全集を録音しました。さらに、その後1986~89年にも再録音がなされています。それ以前、1950年代に録音されたロンドン・フィルハーモニー管弦楽団やウィーン・フィルとのレコードは全集に至っていませんでした。3つの会場を使った彼らの録音にありがちな事情ですが統一感があり、一番状態が良いのが第9番で、響きを抑えて明瞭感と質感を確保し、締まりのある中低域が気持ちよく響く仕上がり。ショルティの音楽の特性は硬派、豪快、ダイナミックで、甘えのない厳格かつ躍動感に溢れる演奏。その反面 、比類なき生彩に満ち満ちた輝きを放つ。早いテンポでオーケストラを煽り、楽器を鳴らしまくるため聞き逃されてしまうが、対位法などのオーケストレーションを含む曲の構造に留意し精緻なアンサンブルを要求するといった論理的なアプローチも特色の一つで、完全主義者といわれる所以でもある。来日時のベートーヴェンに感心したことを思い出させる、ただし推進力のあるだけの爆演ではなく、非常に生真面目な演奏でスコアに書かれた一つ一つの音を大事にしたベートーヴェンである。嶋護・著「クラシック名録音106究極ガイド」でも紹介されています。

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