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  • リリー・クラウスの絶頂期の記録

    リリー・クラウスの絶頂期の記録

    日本人が愛するモーツァルトの名盤を、日本軍によって失っていたかもしれない。拘留され第二次世界大戦終結まで軟禁された女流ピアニスト。

    通販レコードのご案内《仏ディスコファイル・メタル使用盤》US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モーツァルト ピアノ奏鳴曲K.457/K.284/K.475

    ディスコフィル・フランセ録音

    モーツァルト弾きとして知られるリリー・クラウスの最高傑作盤です。米ハイドンソサエティの本盤は、晩年の米国コロムビア盤と比して若い所為か情熱を内に秘めた、生命感に溢れる演奏です。 他のピアニストと比べると、自由自在なテンポ設定でフォルテは強いタッチで鳴らし非常に個性的です。

    1. ピアノソナタ第14番 ハ短調 K.457
    2. ピアノソナタ第6番 ニ長調 K.284
    3. 幻想曲 ハ短調 K.475

    モーツァルトの音楽の持つ多様性を過不足なく的確に表現し、このフレーズはこうでなくては、と云うまさに正鵠を得た最高の演奏を聴かせてくれる。演奏家は身体で勝負するだけに、心身の衰えを如何にカバーしていくかが難しい。特に女性の場合、多くはそれに結婚・出産などが重なる。全身全霊を傾けた命がけの演奏家として、宇野功芳氏が挙げるのはアルゲリッチ、デュ・プレ、チョン・キョンファそれにリリー・クラウスと、みな女性だが長く第一線を保ち続けたのはクラウスぐらいで、彼女を驚異と宇野氏は捉えている。

    彼女らは、いわゆる女性的なものを押し出さず、火のような情熱と作品に切り込んでいく深みにおいて男性奏者に匹敵する。しかし、このまま死んでもいいというほどの燃え尽き方を男性奏者は絶対にしないものではないか。ハンガリー生まれのリリー・クラウスは「モーツァルトは燃え立つ火です」と語っているが、クラウスの演奏にはパッションの炎が確かに感じられる。当時の演奏家としてはテンポの緩急の巾が大きく、ダイナミクスの変化にも激しさを見せるのは、内面から湧き上がる情熱が自然体として表層に上がってきた音楽で、現代の演奏家が大ホールに響き渡るような派手なパフォーマンスを恣意的に行っているものとは根本的に異なるものです。

    ハ短調ソナタ K.457
    このソナタは、幸福感に満ちたK.330からK.333の4曲に続いて作曲された作品で、きわめて劇的な性格を持ったソナタであり、後のベートーヴェンにもっとも強く影響を与えた作品だといわれています。また、このソナタはK.475の《幻想曲ハ短調》とセットで演奏されることが多くて、その関係が昔からいろいろと取りざたされてきた作品でもあり、このレコードでも第6番を挟んで演奏されています。モーツァルトが2曲をその順序に組み合わせて出版したためでもあるのですが、しかし、両曲とも途中に明るいハ長調の部分があるにしても、基調はハ短調で深刻な情緒が支配的ですから、《幻想曲》だけ切り離して演奏したほうが効果的だという説も少なくありません。 モーツァルトが活躍した当時のコンサートではソナタの演奏に先立って幻想曲風の即興演奏を披露する事がよくあったそうです。このハ短調ソナタはモーツァルトの弟子であったトラットナー夫人のために書かれたもので、同じ調であるハ短調の幻想曲は彼女がコンサートで演奏するときのために、前半で披露する即興演奏のものとしてあらかじめ作曲したものではなかったのかというのが現在の定説となっています。手本としてモーツァルトが譜面にしたためた幻想曲を、夫人がいかに即興演奏としたかは想像を出ませんが、しかし、当時のピアノの可能性を限界まで使い切ったと思えるほどに広い音域とダイナミックな音量が求められるこのソナタを提供されたトラットナー夫人はそれなりの技量を持った女性であっただろうことが想像されます。 第6番のピアノソナタは、オペラの上演のために冬を過ごしたミュンヘンでデュルニッツ男爵からの注文に応えて作曲した、19歳の時の作品です。ニ長調という性格からも、明らかにハイドン風の特徴を持っていますが、今までの即興演奏などでため込んできたあれこれのアイデアをここに凝縮してまとめたものと思える、規模が大きく、まるで交響曲をピアノ用に編曲したような風情だといわれてきました。また、第3楽章の大規模な変奏曲形式はモーツァルトのソナタとしては他に例がなく、厳格な父レオポルドもこの作品をとても高く評価していました。とりわけ33小節にも及ぶアダージョ・カンタービレの第11変奏は本当に美しい音楽です。 ベートーヴェンに影響を与えた強烈なソナタと、即興演奏の風情のあるピアノ作品を組み合わせた、リリー・クラウスの演奏はモーツァルトの書いた音符を正確にバランスよく響かせることに意を注ぐのではなくて、モーツァルトが音符を使って書いた「心のドラマ」を再現しようと言うものです。譜面をめくる音も聞き取れることから、細切れの録音ではなく何回かテイクをとって、そのうちベストのものを採用しているようです。そのことも、このレコードの価値を高めているのかもしれません。彼女の演奏に虚心坦懐に耳を傾ければ、モーツァルトがこの音楽にこめた深い感情がヒシヒシと伝わってきます。そして、「人生は美しい、人生は生きるに足る」というモーツァルトのささやきが心に染みいってきます。

    リリー・クラウスのピアノはくっきりとしたフレージングで、モーツァルトのピアノ・ソナタなどは最近よく聴くような軽やかで透明感があるようなものとはまったく違って、正統派にして刺激的な歯ごたえがある。神経質では無い思い切りの良さが有る意味〝男性的〟ですが、モーツァルトに対する途方も無く深い愛情を本質に持つので、どの曲を聴いていても少しも飽きることなくモーツァルトの音楽がどんどんと心の中に浸みこんで来ます。

    1956年パリ録音。

    通販レコード詳細・コンディション、価格

    プロダクト

    レコード番号
    HS-9056
    作曲家
    ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
    演奏者
    リリー・クラウス
    録音種別
    MONO

    販売レコードのカバー、レーベル写真

    • US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モ…
    • US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モ…

    コンディション

    ジャケット状態
    M-
    レコード状態
    M-
    製盤国
    US(アメリカ合衆国)盤
    “Haydn Society” DARK GREEN WITH SILVER LETTERING, MONO 1枚組 (170g), Stamper 仏ディスコファイル メタル XTV 使用盤。

    通販レコード

    詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
    • オーダー番号34-25929
    • 販売価格5,500円(税込)
  • 民族音楽への興味 ― 歌というものに対して不親切な時代における、ひとつの光明だ。

    民族音楽への興味 ― 歌というものに対して不親切な時代における、ひとつの光明だ。

    旋律は音楽の魂である。

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    “3大ヴァイオリン協奏曲”というのがある。ベートーヴェン、メンデルスゾーンに、ブラームスかチャイコフスキーの、何れかが挙げられる。 ― 3曲目が難しいので、“4大”にすると激論にならない。しかし、ほかにもヴァイオリン協奏曲には名作が数多い。
    “10大”となれば必ず入選するのが、ドイツの作曲家マックス・ブルッフの代表作、ヴァイオリン協奏曲第1番だ。

    (さらに…)

  • “Refuge in Music” クラシック音楽のごちそうさん 110歳の天寿

    “Refuge in Music” クラシック音楽のごちそうさん 110歳の天寿

    Farewell Alice Herz-Sommer! We are saddened to hear that the visionary musician and survivor of the Theresienstadt concentration camp died yesterday. Her love of music and belief in its power brought solace and hope to many in one of history’s darkest hours.

    Daniel Hope interviewed Herz-Sommer just a few months ago as part of the documentary “Refuge in Music”, a tribute to the musicians of the concentration camp “Terezin”. You can learn more about the film here: http://bit.ly/TerezinDVD

  • 指揮者クラウディオ・アバドをしのんで

    指揮者クラウディオ・アバドをしのんで

    音楽を楽しむ。それがピシっとした指揮姿から良く感じられたクラウディオ・アバドが亡くなって今月20日で、ひと月となる。

    エグモントの音楽

    BSプレミアムでは2014年2月10日、2つの演奏会が放送された。
    前半は2012年のルツェルン音楽祭から、演奏会の様子は9月2日に Medici.tv で放送された。演奏会は8月10日。全体的にまだらな空白が客席に目立つのはマーラーの交響曲第8番からベートーヴェンの『エグモント』とモーツァルトの『レクイエム』に変更になったからだろう。

    この二曲なら大きいホールは必要ではなかったと思えるように、音響が遠い。迫力は薄めだけど、その分残響に助けられて聴きやすい。前半のベートーヴェンは、序曲は聴きなじんだもの。期待通り、セオリー通りの音楽となっていた。ソプラノのユリアーネ・バンゼのグレートヒェンは清楚な印象。ブルーノ・ガンツは語りで PA を使用したものでしたが全体整っていて違和感はなかった。

    オーケストラの中にクラリネットのザビーネ・マイヤーを見つけた。

    後半のレクイエムはオーケストラも加わったことで、前半の音響はかなり改善されている。ただ合唱の響きがオーケストラを圧するところがある。でも、キャパが大きい効果か澄んだ音楽に仕上がっている。

    モーツァルトと弟子たちの共作としての《レクイエム》

    ソプラノはアンナ・プロハスカ。バスはルネ・パーペ。テノールのマキシミリアン・シュミットはペーター・シュライアーを思い出させる。アルトのサラ・ミンガルドも理想に合う。リヒターが指揮した『レクイエム』の大好きな録音に並ぶ。

    『レクイエム』はモーツァルトの最後の未完の作品であるのはご存知でしょう。自筆で残っているのは最初の2曲のみ。あとは弟子に口述して引き継がせました。あちらこちらにモーツァルトが完成していたら、もっと違う音楽に広がったんじゃないかなと思えるポイントが有ります。アバドはそういう期待も思わせながら、モーツァルトが描き上げた部分も書き上げなかった部分も一体とした音楽を作ります。

    多くの録音が前半、後半と切り替える雰囲気があるのにアバドはアーメンをブリッジにして後半に音楽の気持ちを引き継いでいる。各曲を細切れにすること無く本来のプログラムがマーラーの千人の交響曲だったことを思い起こさせた演奏になった。

    永遠の安息を、そして永遠の光に

    現代の時間の中で再構成されたモーツァルトの音楽といえるだろう。言い換えれば、古楽演奏を学びとはしているけれどもモダン・オーケストラで楽しく聞かせていると言えば分り易いだろうか。
    この演奏は現代音楽の響きに馴染んだ耳も楽しませる。もし《レクイエム》かぁ、と食指を伸ばさなかったままだったら後半だけでも聞き返して欲しい。

    もちろんいろいろなモーツァルトのレクイエムを聞いてきていたら、複数の版があるのを面白く並べ替えているというパズル的興味も持たされる。

    最後のアーメン・フーガがまるごとカットされていて、そのかわり無音の中でアバドは一分間指揮棒を旨に抱いたまま黙祷する。

    死は嘆き、省みるものではなくて生きている人が先に進むためにあるものなのです。

  • Maria Callas, 1963

    Maria Callas, 1963

    『マリア・カラスの真実』(フランス2007年。日本では2009年公開)は、マリア・カラスの生涯に焦点を当てたドキュメンタリー映画です。
    有名なオペラ歌手ですが、後年、睡眠薬大量摂取での自殺未遂、睡眠薬や興奮剤を乱用し、肺血栓で53歳で亡くなりました。
    なぜ、命を縮めるようなことを行い、50代という若さで亡くなったのでしょうか。

    映画は彼女の生涯を追います。

    母親は男の子を望んでいましたが、生まれたのは女の子マリア。失望した母親は4日間も受け取りを拒否・・・マリアの兄が2歳で脳膜炎で亡くなり、母親は次の子は男の子を、と青い産着まで用意したそうです。
    歓迎されず、居場所もありませんでした。

    6度の引っ越し。セールスマンの父は不在がち。家族団欒もありません。ハーレムの近くに引っ越しますが、母親は環境に馴染ませようとせず、部屋に閉じ込め、通りで遊ぶことも禁じました。
    マリアは自分を無口で汚いと思っていて、学校では友人がなく「友達と遊んでも楽しくなかった」と彼女は語ります。
    唯一の友、飼っていた小鳥に歌っていたマリアの歌の才能に気づいた母は条件付きで愛するようになります。
    また母親は、自身の大女優になる夢を押し付けた部分もあったようです。

    映画の中でマリアが語ります。
    「自分で決めた道ではなく、家族が決めた。家族と摩擦を起こさない為、従うしかなった」
    「母がレールを敷いた。母は仕切っていた」
    「親の代わりに出世しろ」
    「お前の為に犠牲を払った」
    「母からお金をくれないと新聞にぶちまける、と強請られた」とまで語る。そんな母親 を、晩年まで許せなかったそうです。

    映画は「この世に彼女の居場所はない。声だけが残った。」というナレーションの後、彼女の歌声で幕となります。

    Maria Callas, 1963, in Paris, accompanying herself on the piano.

  • Phase 4 ◉ GB DECCA PFS4407 ドラティ指揮 RPO レスピーギ・風変わりな店

    GB DEC PFS4407 ドラティ レスピーギ・風変わりな店の商品詳細: アナログ・レコード 通販 RECORD SOUND

    GB DEC PFS4407 ドラティ レスピーギ・風変わりな店の商品詳細: アナログ・レコード 通販 RECORD SOUND.

    品番 34-6294
    レコード番号 PFS4407
    作曲家 レスピーギ
    指揮者 アンタル・ドラティ
    オーケストラ ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
    録音種別 STEREO
    ジャケット状態 M-
    レコード状態 M-
    製盤国 GB(イギリス)盤
    カルテ RED & WHITE WITH BLACK LETTERING, STEREO(140g), Release&Stamper 1977 4W/1W
    販売価格 2,500円
  • GB DECCA SXLF6565-7 アシュケナージ、プレヴィン指揮ロンドン響 ラフマニノフ・ピアノ協奏曲全集 アナログ・レコード通販

    GB DEC SXLF6565-7 アシュケナージ&プレヴィン ラフマニノフ・P協奏曲全集の商品詳細: アナログ・レコード 通販 RECORD SOUND

    GB DEC SXLF6565-7 アシュケナージ&プレヴィン ラフマニノフ・P協奏曲全集の商品詳細: アナログ・レコード 通販 RECORD SOUND.
    溌剌としたラフマニノフのピアノ協奏曲集。アシュケナージが世界的な名声を確立した頃の録音で、そのフレッシュな輝きが作品にとてもマッチしています。また、プレヴィンのロシア旅情溢れる指揮ぶりも美しく素晴らしい。1970、71年、キングズウェイ・ホール、ロンドン。

    盤・ジャケット共に状態がよく推薦盤です。

    品番 34-11150
    商品名 GB DEC SXLF6565-7 アシュケナージ&プレヴィン ラフマニノフ・P協奏曲全集
    レコード番号 SXLF6565-7
    演奏者 ウラディーミル・アシュケナージ
    作曲家 セルゲイ・ラフマニノフ
    指揮者 アンドレ・プレヴィン
    オーケストラ ロンドン交響楽団
    録音種別 STEREO
    ジャケット状態 M-
    レコード状態 M-
    製盤国 GB(イギリス)盤
    カルテ NARROW BAND ED4, STEREO 3枚組(150g/140g/150g), Release&Stamper : 4W/2W 3W/2W 7W/3W
    販売価格 9,000 円
  • GB Columbia CX1065 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮P.o. チャイコフスキー・白鳥の湖

    GB COL CX1065 ヘルベルト・フォン・カラヤン チャイコフスキー・白鳥湖の商品詳細: アナログ・レコード 通販 RECORD SOUND

    GB COL CX1065 ヘルベルト・フォン・カラヤン チャイコフスキー・白鳥湖の商品詳細: アナログ・レコード 通販 RECORD SOUND.

    品番 34-16641
    商品名 GB COLUMBIA CX1065 ヘルベルト・フォン・カラヤン チャイコフスキー:白鳥の湖
    レコード番号 CX1065
    作曲家 ピョートル・チャイコフスキー
    指揮者 ヘルベルト・フォン・カラヤン
    オーケストラ フィルハーモニア管弦楽団
    録音種別 MONO
    ジャケット状態 EX
    レコード状態 EX
    製盤国 GB(イギリス)盤
    カルテ DARK BLUE WITH GOLD LETTERING, MONO (150g), Release&Stamper 3N/5N
    販売価格 4,000円
  • 兵は偽りを厭わず◉サージェント指揮ロイヤル・フィル スメタナ:わが祖国、ドヴォルザーク:交響的変奏曲

    兵は偽りを厭わず◉サージェント指揮ロイヤル・フィル スメタナ:わが祖国、ドヴォルザーク:交響的変奏曲

    食は精なるを厭わず、兵は偽りを厭わず

    国民楽派の騎手とされるスメタナの演奏は、名盤で知られるクーベリックに尽きる。『誇り高き我らが民族』的な熱い演奏で聴き手の気持ちを掴んだところを、一気にスラブの郷愁でそそる。コンサート会場に集まった聴衆を前にスメタナやドヴォルザークの生きた時代の社会体制をクーベリックや、ヤンソンスが生き抜いた人生背景にシンクロさせてしまうことができれば、いわゆるスラブ系の音楽は演奏としては成功だ。
    (さらに…)

  • 七夕に生まれた音楽家 グスタフ・マーラーは1860年の今日生まれた。

    七夕に生まれた音楽家 グスタフ・マーラーは1860年の今日生まれた。

    最後のロマンティスト、グスタフ・マーラーは1860年の今日生まれた。

    日曜作曲家だと言われたりもしたが、自作の曲をすべて音に出して聴いた作曲家は少ない。同世代の作曲に専念した作曲家たちと違いニューヨーク・フィルをトレーニングしてアメリカ五大オーケストラに育て上げた業績は大きい。
    作曲した10曲に登るシンフォニーはどれも一時間を超える超大作であるのも、神経細かった、躁鬱があったと言われようとすごい集中力だろう。

    主たる活動の場はアメリカだったのを彼の音楽からは感じさせない。さすがに響きはアメリカのオーケストラに向いているけれども音楽は19世紀オーストリア、ドイツの伝統に根ざしている。
    彼の中にベートーヴェンの息吹は聞こえないけれどもバッハやモーツァルトといったどちらかコスモポリタン的なドイツ、オーストリア作曲家の音楽構造が時に顔を見せる演奏が面白い。

  • アナログ・レコード通販 GB COLUMBIA SAX2306 カラヤン指揮 P.O. チャイコフスキー:白鳥の湖&眠りの森の美女

    アナログ・レコード通販 GB COLUMBIA SAX2306 カラヤン指揮 P.O. チャイコフスキー:白鳥の湖&眠りの森の美女

    アナログ・レコード 通販 RECORD SOUND: GB COL SAX2306 カラヤン チャイコフスキー・白鳥湖&眠りの森美女の商品詳細.

  • リヒャルト・シュトラウス 交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》 DG Japan SHM-CD

    リヒャルト・シュトラウス 交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》 DG Japan SHM-CD

    DG UCCG9782 SHM-CD

    55年前にカラヤンはオーケストラを引き連れないで体一つでアメリカツアーをして日本に立ち寄っている。その時のレパートリーがシュトラウスだった。カラヤンとこの作曲家の結びつきは・・・複雑な感情を持つ人はいるだろうが・・・絆が有る。最も美しく演奏して聴衆の耳を魅了してくれるのがカラヤンだった。わたしは晩年のベルリン・フィルとの録音が好きだ。
    時代が戦争の柵を、この作曲家に抱かなくなっていた。それはバイロイトの第九がフルトヴェングラーの戦後だったのに近いのではないかしら。
    カラヤンが『わたしはわたしの仕事をやる。だから、あなたはやるべきことが分かるはずだ』
    このSHM-CDは解説もしっかり力が入っている。ブラームスやハイドン、モーツァルトでは特別読む必要もないだろう楽曲の解説しか掲載されていなかったが、オーケストラとのリハーサルの様子を珍しく翻訳文で掲載されています。

  • モーツァルト 後期交響曲集 DG Japan SHM-CD

    モーツァルト 後期交響曲集 DG Japan SHM-CD

    録音されて30年ほど経ってカラヤンの仕事の中でわたしはハイドンの方に軍配を上げるが、モーツァルトのほうが随分と聴かれたレコードだろうことは容易にイメージできる。アーティスティック、テクニカル・ポイント共に両者同質ですが、モーツァルトの方はサンモリッツで録音されたこともあって、リゾートの待合ロビーで聞こえてくると旅を楽しく演出するだろう。
    9曲全体に前へ前へと進む音楽で、ポジティヴで陰りは全くない。モーツァルトの憂い感は全集のどこにも隠れていない。アンチ・カラヤンが定着させたと思われるカラヤンの演奏は早いというのを端的に感じられる。でも演奏時間を比べるとそれほど激速というわけではない。
    同時期にベームがカラヤンと同じベルリンやウィーンのフィルハーモニーを使った演奏は音楽の縦のLINEが軍隊調なだけだ。
    ワンポイントでピックアップするなら、40番のシンフォニーの第3楽章。
    古楽器時代には管楽器は遅れて響いただろう。カラヤンの録音は残響を活かした音の厚みで、マーラーのシンフォニーでのバンタのようなたゆたい感を創りだす。
    カラヤンの厳しい目が隅々に届いているのは少し鬱陶しく感じられるけど、この録音のあと古楽器演奏で聴くモーツァルト全集が示してくれる指針がここにある。
    アナログレコードでどの組み合わせでリリースされたかは知らないけれども、全9曲を通して感じたことは一枚か二枚を聞いたぐらいならアンチ・カラヤンの言うことに素直に同意してしまうだろう。
    DG UCCG9755-7 CD3枚組 SHM-CD

  • リヒャルト・シュトラウス 交響詩《英雄の生涯》 Decca Japan SHM-CD

    リヒャルト・シュトラウス 交響詩《英雄の生涯》 Decca Japan SHM-CD

    『英雄の妻』での色気はオペラの経験豊かなオーケストラの特別な情感

    ベルリン・フィルだとありえないことだけどウィーン・フィルは曲の初めのほうで管楽器が奇妙な音を出している。ライヴ録音でもないのにもったいないことだ。
    ライナー・キュッヒルのソロが魅了するあたりから俄然音色に変化が見える。『英雄の妻』の情感豊かさはオペラ伴奏の経験豊かなオーケストラならでは。
    ショルティのワイルドな指揮をレコードとしてこの演奏が格別な味わいとしているのはそういう辺だろう。指揮というのが単にオーケストラを揃えるためのものでないことがよく出ています。
    もう少し作曲家に迫りたいときはカラヤンだろうが、普段聴きにはショルティのシュトラウスはさっそうとしていて心地良い。 Decca UCCD9733 SHM-CD http://amzn.to/S5Hc25

  • 音楽の父を産んだ息子 ベルリンのバッハは300歳

    音楽の父を産んだ息子 ベルリンのバッハは300歳

    音楽の父バッハ。

    来月から子どもたちも小学校の音楽教室で、ズラリと並んだ肖像画や彫像を見ながら「音楽の父バッハ。音楽の母ヘンデル。交響曲の父ハイドン・・・」と先生から学ぶのでしょう。
    外国の昔の人は髪が巻き毛で金髪で、福々しく優しい眼差しで。王様やお姫様たちの前で光りに包まれて誇らしげに演奏している姿をイメージしてしまいます。

    クラシック音楽の最初の作曲家は修道尼。誰もが買える楽譜出版をした作曲家としてはモンテヴェルディが最初のヨーロッパ中に知られる名前でしょう。
    ヨハン・セバスティアン・バッハ以前のドイツ三大Sに数えられる作曲家たち。同時代のイタリアの作曲家ヴィヴァルディ。バッハの先輩筋でバッハの息子たちも多大な恩恵を受けたテレマンを差し置いてバッハを音楽の父としたのは、その息子カール・フィリップ・エマニュエル・バッハでした。

    今でこそヨハン・セバスティアン・バッハと言えば、ほかのバッハが霞むほどの存在ですが聖トーマスのカントルという当時の演奏家にとって最高位にあったと言っても彼の音楽は教会の独占。そう言う独占体制にメスを入れようとしたのもバッハでした。
    街角のコーヒーハウスで演奏会を開いて、教会で聴く音楽とは違う親しみやすい音楽で寛がせる。それが音楽が広まる原動力になることを期待してコレギウム・ムジクムを教会での仕事が無い時に開催しました。それまでは賛美歌などの宗教曲をアマチュアの合唱隊が歌って聞かせることはありましたが、教会や貴族の門前で演奏をする有名な演奏家が参加して聞かせることはありませんでしたからコレギウム・ムジクムは、どんなに褒め称えられる活動でしょう。
    でも、このコレギウム・ムジクムの元々の草案はテレマン。バッハはそれを時流で模倣しただけです。

    父への感謝と家族たちの記憶のために

    紙数が尽きそうなので結論。
    小学校に通い始めて子どもたちは、共同して時間を過ごす友だちと仲良く学ぶことは教わるでしょうけれどもクラスのスローガンや校訓は昨今はどういう扱いなのでしょう。大事なのは両親への感謝、近所の人達の力添えで自分があること。バッハの時代300人ものバッハ姓の音楽家が活躍していました。
    父、ヨハン・セバスティアン・バッハを記憶にしておいて欲しいとカール・フィリップ・エマニュエル・バッハは願い、戦争を応援する音楽ではなく平和を思う音楽を作曲するのを選んだのでしょう。

    東京大空襲があった3月8日は、カール・フィリップ・バッハの誕生日でした。

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