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  • リリー・クラウスの絶頂期の記録

    リリー・クラウスの絶頂期の記録

    日本人が愛するモーツァルトの名盤を、日本軍によって失っていたかもしれない。拘留され第二次世界大戦終結まで軟禁された女流ピアニスト。

    通販レコードのご案内《仏ディスコファイル・メタル使用盤》US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モーツァルト ピアノ奏鳴曲K.457/K.284/K.475

    ディスコフィル・フランセ録音

    モーツァルト弾きとして知られるリリー・クラウスの最高傑作盤です。米ハイドンソサエティの本盤は、晩年の米国コロムビア盤と比して若い所為か情熱を内に秘めた、生命感に溢れる演奏です。 他のピアニストと比べると、自由自在なテンポ設定でフォルテは強いタッチで鳴らし非常に個性的です。

    1. ピアノソナタ第14番 ハ短調 K.457
    2. ピアノソナタ第6番 ニ長調 K.284
    3. 幻想曲 ハ短調 K.475

    モーツァルトの音楽の持つ多様性を過不足なく的確に表現し、このフレーズはこうでなくては、と云うまさに正鵠を得た最高の演奏を聴かせてくれる。演奏家は身体で勝負するだけに、心身の衰えを如何にカバーしていくかが難しい。特に女性の場合、多くはそれに結婚・出産などが重なる。全身全霊を傾けた命がけの演奏家として、宇野功芳氏が挙げるのはアルゲリッチ、デュ・プレ、チョン・キョンファそれにリリー・クラウスと、みな女性だが長く第一線を保ち続けたのはクラウスぐらいで、彼女を驚異と宇野氏は捉えている。

    彼女らは、いわゆる女性的なものを押し出さず、火のような情熱と作品に切り込んでいく深みにおいて男性奏者に匹敵する。しかし、このまま死んでもいいというほどの燃え尽き方を男性奏者は絶対にしないものではないか。ハンガリー生まれのリリー・クラウスは「モーツァルトは燃え立つ火です」と語っているが、クラウスの演奏にはパッションの炎が確かに感じられる。当時の演奏家としてはテンポの緩急の巾が大きく、ダイナミクスの変化にも激しさを見せるのは、内面から湧き上がる情熱が自然体として表層に上がってきた音楽で、現代の演奏家が大ホールに響き渡るような派手なパフォーマンスを恣意的に行っているものとは根本的に異なるものです。

    ハ短調ソナタ K.457
    このソナタは、幸福感に満ちたK.330からK.333の4曲に続いて作曲された作品で、きわめて劇的な性格を持ったソナタであり、後のベートーヴェンにもっとも強く影響を与えた作品だといわれています。また、このソナタはK.475の《幻想曲ハ短調》とセットで演奏されることが多くて、その関係が昔からいろいろと取りざたされてきた作品でもあり、このレコードでも第6番を挟んで演奏されています。モーツァルトが2曲をその順序に組み合わせて出版したためでもあるのですが、しかし、両曲とも途中に明るいハ長調の部分があるにしても、基調はハ短調で深刻な情緒が支配的ですから、《幻想曲》だけ切り離して演奏したほうが効果的だという説も少なくありません。 モーツァルトが活躍した当時のコンサートではソナタの演奏に先立って幻想曲風の即興演奏を披露する事がよくあったそうです。このハ短調ソナタはモーツァルトの弟子であったトラットナー夫人のために書かれたもので、同じ調であるハ短調の幻想曲は彼女がコンサートで演奏するときのために、前半で披露する即興演奏のものとしてあらかじめ作曲したものではなかったのかというのが現在の定説となっています。手本としてモーツァルトが譜面にしたためた幻想曲を、夫人がいかに即興演奏としたかは想像を出ませんが、しかし、当時のピアノの可能性を限界まで使い切ったと思えるほどに広い音域とダイナミックな音量が求められるこのソナタを提供されたトラットナー夫人はそれなりの技量を持った女性であっただろうことが想像されます。 第6番のピアノソナタは、オペラの上演のために冬を過ごしたミュンヘンでデュルニッツ男爵からの注文に応えて作曲した、19歳の時の作品です。ニ長調という性格からも、明らかにハイドン風の特徴を持っていますが、今までの即興演奏などでため込んできたあれこれのアイデアをここに凝縮してまとめたものと思える、規模が大きく、まるで交響曲をピアノ用に編曲したような風情だといわれてきました。また、第3楽章の大規模な変奏曲形式はモーツァルトのソナタとしては他に例がなく、厳格な父レオポルドもこの作品をとても高く評価していました。とりわけ33小節にも及ぶアダージョ・カンタービレの第11変奏は本当に美しい音楽です。 ベートーヴェンに影響を与えた強烈なソナタと、即興演奏の風情のあるピアノ作品を組み合わせた、リリー・クラウスの演奏はモーツァルトの書いた音符を正確にバランスよく響かせることに意を注ぐのではなくて、モーツァルトが音符を使って書いた「心のドラマ」を再現しようと言うものです。譜面をめくる音も聞き取れることから、細切れの録音ではなく何回かテイクをとって、そのうちベストのものを採用しているようです。そのことも、このレコードの価値を高めているのかもしれません。彼女の演奏に虚心坦懐に耳を傾ければ、モーツァルトがこの音楽にこめた深い感情がヒシヒシと伝わってきます。そして、「人生は美しい、人生は生きるに足る」というモーツァルトのささやきが心に染みいってきます。

    リリー・クラウスのピアノはくっきりとしたフレージングで、モーツァルトのピアノ・ソナタなどは最近よく聴くような軽やかで透明感があるようなものとはまったく違って、正統派にして刺激的な歯ごたえがある。神経質では無い思い切りの良さが有る意味〝男性的〟ですが、モーツァルトに対する途方も無く深い愛情を本質に持つので、どの曲を聴いていても少しも飽きることなくモーツァルトの音楽がどんどんと心の中に浸みこんで来ます。

    1956年パリ録音。

    通販レコード詳細・コンディション、価格

    プロダクト

    レコード番号
    HS-9056
    作曲家
    ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
    演奏者
    リリー・クラウス
    録音種別
    MONO

    販売レコードのカバー、レーベル写真

    • US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モ…
    • US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モ…

    コンディション

    ジャケット状態
    M-
    レコード状態
    M-
    製盤国
    US(アメリカ合衆国)盤
    “Haydn Society” DARK GREEN WITH SILVER LETTERING, MONO 1枚組 (170g), Stamper 仏ディスコファイル メタル XTV 使用盤。

    通販レコード

    詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
    • オーダー番号34-25929
    • 販売価格5,500円(税込)
  • 民族音楽への興味 ― 歌というものに対して不親切な時代における、ひとつの光明だ。

    民族音楽への興味 ― 歌というものに対して不親切な時代における、ひとつの光明だ。

    旋律は音楽の魂である。

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    “3大ヴァイオリン協奏曲”というのがある。ベートーヴェン、メンデルスゾーンに、ブラームスかチャイコフスキーの、何れかが挙げられる。 ― 3曲目が難しいので、“4大”にすると激論にならない。しかし、ほかにもヴァイオリン協奏曲には名作が数多い。
    “10大”となれば必ず入選するのが、ドイツの作曲家マックス・ブルッフの代表作、ヴァイオリン協奏曲第1番だ。

    (さらに…)

  • “Refuge in Music” クラシック音楽のごちそうさん 110歳の天寿

    “Refuge in Music” クラシック音楽のごちそうさん 110歳の天寿

    Farewell Alice Herz-Sommer! We are saddened to hear that the visionary musician and survivor of the Theresienstadt concentration camp died yesterday. Her love of music and belief in its power brought solace and hope to many in one of history’s darkest hours.

    Daniel Hope interviewed Herz-Sommer just a few months ago as part of the documentary “Refuge in Music”, a tribute to the musicians of the concentration camp “Terezin”. You can learn more about the film here: http://bit.ly/TerezinDVD

  • 指揮者クラウディオ・アバドをしのんで

    指揮者クラウディオ・アバドをしのんで

    音楽を楽しむ。それがピシっとした指揮姿から良く感じられたクラウディオ・アバドが亡くなって今月20日で、ひと月となる。

    エグモントの音楽

    BSプレミアムでは2014年2月10日、2つの演奏会が放送された。
    前半は2012年のルツェルン音楽祭から、演奏会の様子は9月2日に Medici.tv で放送された。演奏会は8月10日。全体的にまだらな空白が客席に目立つのはマーラーの交響曲第8番からベートーヴェンの『エグモント』とモーツァルトの『レクイエム』に変更になったからだろう。

    この二曲なら大きいホールは必要ではなかったと思えるように、音響が遠い。迫力は薄めだけど、その分残響に助けられて聴きやすい。前半のベートーヴェンは、序曲は聴きなじんだもの。期待通り、セオリー通りの音楽となっていた。ソプラノのユリアーネ・バンゼのグレートヒェンは清楚な印象。ブルーノ・ガンツは語りで PA を使用したものでしたが全体整っていて違和感はなかった。

    オーケストラの中にクラリネットのザビーネ・マイヤーを見つけた。

    後半のレクイエムはオーケストラも加わったことで、前半の音響はかなり改善されている。ただ合唱の響きがオーケストラを圧するところがある。でも、キャパが大きい効果か澄んだ音楽に仕上がっている。

    モーツァルトと弟子たちの共作としての《レクイエム》

    ソプラノはアンナ・プロハスカ。バスはルネ・パーペ。テノールのマキシミリアン・シュミットはペーター・シュライアーを思い出させる。アルトのサラ・ミンガルドも理想に合う。リヒターが指揮した『レクイエム』の大好きな録音に並ぶ。

    『レクイエム』はモーツァルトの最後の未完の作品であるのはご存知でしょう。自筆で残っているのは最初の2曲のみ。あとは弟子に口述して引き継がせました。あちらこちらにモーツァルトが完成していたら、もっと違う音楽に広がったんじゃないかなと思えるポイントが有ります。アバドはそういう期待も思わせながら、モーツァルトが描き上げた部分も書き上げなかった部分も一体とした音楽を作ります。

    多くの録音が前半、後半と切り替える雰囲気があるのにアバドはアーメンをブリッジにして後半に音楽の気持ちを引き継いでいる。各曲を細切れにすること無く本来のプログラムがマーラーの千人の交響曲だったことを思い起こさせた演奏になった。

    永遠の安息を、そして永遠の光に

    現代の時間の中で再構成されたモーツァルトの音楽といえるだろう。言い換えれば、古楽演奏を学びとはしているけれどもモダン・オーケストラで楽しく聞かせていると言えば分り易いだろうか。
    この演奏は現代音楽の響きに馴染んだ耳も楽しませる。もし《レクイエム》かぁ、と食指を伸ばさなかったままだったら後半だけでも聞き返して欲しい。

    もちろんいろいろなモーツァルトのレクイエムを聞いてきていたら、複数の版があるのを面白く並べ替えているというパズル的興味も持たされる。

    最後のアーメン・フーガがまるごとカットされていて、そのかわり無音の中でアバドは一分間指揮棒を旨に抱いたまま黙祷する。

    死は嘆き、省みるものではなくて生きている人が先に進むためにあるものなのです。

  • Maria Callas, 1963

    Maria Callas, 1963

    『マリア・カラスの真実』(フランス2007年。日本では2009年公開)は、マリア・カラスの生涯に焦点を当てたドキュメンタリー映画です。
    有名なオペラ歌手ですが、後年、睡眠薬大量摂取での自殺未遂、睡眠薬や興奮剤を乱用し、肺血栓で53歳で亡くなりました。
    なぜ、命を縮めるようなことを行い、50代という若さで亡くなったのでしょうか。

    映画は彼女の生涯を追います。

    母親は男の子を望んでいましたが、生まれたのは女の子マリア。失望した母親は4日間も受け取りを拒否・・・マリアの兄が2歳で脳膜炎で亡くなり、母親は次の子は男の子を、と青い産着まで用意したそうです。
    歓迎されず、居場所もありませんでした。

    6度の引っ越し。セールスマンの父は不在がち。家族団欒もありません。ハーレムの近くに引っ越しますが、母親は環境に馴染ませようとせず、部屋に閉じ込め、通りで遊ぶことも禁じました。
    マリアは自分を無口で汚いと思っていて、学校では友人がなく「友達と遊んでも楽しくなかった」と彼女は語ります。
    唯一の友、飼っていた小鳥に歌っていたマリアの歌の才能に気づいた母は条件付きで愛するようになります。
    また母親は、自身の大女優になる夢を押し付けた部分もあったようです。

    映画の中でマリアが語ります。
    「自分で決めた道ではなく、家族が決めた。家族と摩擦を起こさない為、従うしかなった」
    「母がレールを敷いた。母は仕切っていた」
    「親の代わりに出世しろ」
    「お前の為に犠牲を払った」
    「母からお金をくれないと新聞にぶちまける、と強請られた」とまで語る。そんな母親 を、晩年まで許せなかったそうです。

    映画は「この世に彼女の居場所はない。声だけが残った。」というナレーションの後、彼女の歌声で幕となります。

    Maria Callas, 1963, in Paris, accompanying herself on the piano.

  • IT RCA RL02241 リン・ハレル ジェームズ・レヴァイン ベートーヴェン・チェロソナタ(全5曲)

    34-7225

    商品番号 34-7225

    通販レコード→伊レッド・シール黒文字盤

    没後150周年をむかえて、ベートーヴェンも古い衣を脱ぎ捨すました。 ―  アメリカ音楽界の「ドン・ジミー」、ジェームズ・レヴァインがRCAに残した名演。レヴァインの初録音は1972年のEMIへのヴェルディ・歌劇『ジョヴァンナ・ダルコ』全曲盤(ロンドン交響楽団)ですが、レコード界でその手腕が高く評価されたのは、翌1973年8月録音のニュー・フィルハーモニア管弦楽団とのヴェルディ・歌劇『シチリア島の夕べの祈り』全曲盤で、これがRCAへの初録音でした。このレコードでチェロを演奏しているリン・ハレルは、クリーヴランド管弦楽団の首席奏者を務めた後、1971年にこのオーケストラを去り、独奏及び室内楽の方面で活躍するようになったアメリカの気鋭の演奏家である。そして、独奏家として立ってからは、賞や奨励金を受けたほかに、シンシナティ大学のマスター・クラスでチェロを教えている。その上、アメリカばかりでなく、ヨーロッパの幾つかのオーケストラとも共演している。いわばアメリカのチェロ界の大きなホープであった。このハレルは、このレコードでピアノを担当しているレヴァインの指揮で初共演となった記念碑的録音 ― ドヴォルザークのチェロ協奏曲をレコーディングしている。協奏曲、ソナタ、いずれも若さに溢れた2人の演奏家の気概がぶつかりあった爽快なまでの名演だ。このレヴァインは、シンシナティの出身で、幼少からピアノを学び、10歳の時に早くもシンシナティ交響楽団とピアニストとして共演している。その後にジュリアード音楽院でピアノと指揮法の勉強をつづけ、それからクリーヴランド管でジョージ・セルの下に6年間指揮の実地の研修を行った。それ以後、各地の交響楽団を指揮し、やがてシンシナティ5月祭とシカゴ交響楽団の夏期の行事のラヴィニア音楽祭の音楽監督、メトロポリタン・オペラの指揮者に就任したのがちょうど1973年のことで、その後、1975年のイギリス・ロイヤル・オペラおよびザルツブルク音楽祭デビュー、1976年のメトロポリタン・オペラの音楽監督就任、1982年のバイロイト音楽祭デビューなど、RCAにおける10年間はちょうどレヴァインが新進の若手音楽家から、ズービン・メータ、クラウディオ・アバド、リッカルド・ムーティらと並んで、欧米で最も活躍する人気指揮者へと成長した時期に当たります。もちろん指揮者としてのほかに、ピアニストとして、特に室内楽のピアニストとしても、積極的な姿勢を見せている。1976年のラヴィニア音楽祭で演奏して高く評価され、同じ年の12月にニューヨークで一気に録音されたベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲。ハレルとレヴァインによる二重奏は、このレコードで知られるように、極めて息のよく合ったものである。そして、このアンサンブルの中に若さがみなぎっている。例えば、第3番のソナタの第1楽章でのリズムとアクセントの明快さは、たしかに若々しいものを感じさせる。レヴァインのピアノは一見豪放のようであるが、実はチェロとのバランスや駆け引きにも細かい神経を見せている。ハレルも、こうした協力者がいたので、このレコーディングはやりやすかっただろう。とにかく、この2人によるチェロ・ソナタは、活気にあふれた、やる気十分の演奏家の意欲を見せていて、それだけに新鮮さを感じさせるのである。

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  • GB RCA ARL1 0483 クリーヴランド弦楽四重奏団 シューベルト・弦楽四重奏曲14番「死と乙女」 モーツァルト・アダージョとフーガ K.546

    34-14235

    商品番号 34-14235

    通販レコード→英レッド・シール黒文字盤

    知性的でありながらも伸びやかさを失わない室内楽。 ―  温かい音色に、4つの楽器が溶け合った朗々とした和音。それでいて、もたれたり、繊細さに欠ける印象はなく、見通しが良い。爽やかさも残すという不思議な印象。テンポの揺れが自然で、そこに息づいている情感の豊かさや呼吸緊密さなどにも、注目すべきものがある。クリーヴランド弦楽四重奏団のデビュー盤。戦前に欧米の大演奏家らが来日して、日本のスタジオでSPレコードをたくさん録音している。録音の記録がないのか、CD化されていない録音がまだ多いのは残念ですが、日本の古い童謡や唱歌を演奏したレコードがたくさんあります。滝廉太郎や山田耕筰の唱歌などが、小学校などの授業で楽譜に書かれた音を誤って歌われていると音楽解説番組で取り上げられもしていますが、日本語の発音に影響されないチェロでの演奏などは、日本の演奏者やオーケストラによる録音より音楽的でした。プッチーニが歌劇「蝶々夫人」で日本の旋律の数々を引用しているように、海外の演奏者には関心事のようです。1969年に録音された、ジャン=ピエール・ランパルのフルート、リリー・ラスキーヌのハープという往年のフランス人名演奏家による「春の海」というレコードと、1982年に録音された「日本の詩情」と題されたアルバムは演奏、録音ともによく忘れることは出来ません。その「日本の詩情」がクリーヴランド管弦楽団アンサンブルによる演奏でした。そうした出会いもあり、クリーヴランド四重奏団には関心を寄せて聴いています。それは Philips発売で録音が良く、やがてデジタル録音の高品質盤で有名になる当時の、Telarcの社長と副社長が録音に携わっていた。ロリン・マゼール指揮でクリーブランド管は「春の祭典」「展覧会の絵」「幻想交響曲」をTelarcに続々録音。デモンストレーション効果の高い管弦楽曲の人気曲のリリースがひと通り揃うと、ベートーヴェンの録音を集中的に行った。クリーヴランド四重奏団の弦楽四重奏曲全曲録音は、デジタル録音で完成された最初の全集ではなかったか。ベートーヴェンの弦楽四重奏の世界にどっぷり浸かって数多の演奏家で聴いてしまうと、何が自分の好みで、何が自分にとって嫌いか、ということがますます鮮明になる。これだからクラシックの愛好家は偏屈だと言われてしまうところなのだろう。

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  • DE DGG 2530 728 ラサール弦楽四重奏団 ベートーヴェン・弦楽四重奏曲15番

    34-21090

    商品番号 34-21090

    通販レコード→独ブルーライン盤

    細部に宿る驚愕の数々。 ―  この盤が発売された当時、センセーショナルなまでの反応を受けた、正に彼らの金字塔のひとつとでも言うべき重要な録音であるベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲。このベートーヴェンは新ウィーン学派の作品群と合わせ、大きな評価を獲得した彼らの代表盤のひとつです。アンサンブルの緊密さと明晰なまでの解釈を合わせ持った、歴史に残る名盤として今後も語り継がれてゆく逸品です。ベートーヴェンは16曲の弦楽四重奏曲を書いた。このうち第12番から16番までの「後期四重奏曲集」は、ベートーヴェンが書いた音楽の最高峰として格別の敬意が払われている。『運命』や『英雄』『皇帝』のような劇的な中期の作風から、より内省的で思索的な後期の作風へ。枯淡の境地とでも言うべきか。曲に与えられる標題も私的なものに変わっている。自らの「顔=思想」を現実の音として鳴り響かせようとする強靭・酷薄とさえいえる意志からきている、いわゆる中期、これがベートーヴェンのベートーヴェンらしさであるとともにアイロニーでもあると仮に言うなら、後期の作品群とは、こうした「中期=壮年」的な意志=人格=顔を半ば放棄しつつ、その支配への欲望の諦めと主題や慣用句や常套句へのほとんどフェティッシュ=観念的なかかわりのうちに絶頂に達せんとする、非人称的で半ば「作者」不在の「反作品」といえるだろう。ベートーヴェンは第11番「セリオーソ」の作曲後、14年間弦楽四重奏曲に着手する事はなかったが、その後、弦楽四重奏曲5曲と大フーガを作曲している。「後期四重奏曲集」は、ベートーヴェンがこの14年のブランクの後に作曲した。ロシアのニコラス・ガリツィン公爵から弦楽四重奏曲の依頼を受けこの曲を作曲したため、第12番、第15番 、第13番とあわせたこの3曲を「ガリツィン・セット」と呼ぶ事もある。弦楽四重奏曲と言う形式での長い沈黙と、第9交響曲の創造を経験した当時最先端の作曲の達人の手になる作品は、「セリオーソ」から随分と変貌を遂げたと見られていたらしく、初演時にはベートーヴェンの創造的進化の苛烈さには、発展に迅速なところがあることを知っていただろう彼の愛好家すら狼狽していたのである。「交響曲第9番」がベートーヴェンが到達した、最も理想的なベートーヴェンらしさとする見解から逃れるのが難しかったら、「第9」後の作品に対しては曖昧なもの言いになってしまいかねないだろう。「よくわからない」だとか「微笑」だとか「奇跡」だとか言って茶を濁し、後期の弦楽四重奏曲群が、謎めいた楽曲群であるという見解は、案外当時は一般的なものであったかも知れない。この曲の第3楽章が、「病癒えし者から神への聖なる感謝の歌、リディア旋法による」と題され、全5楽章の中心となっている。リディア旋法は、中世ヨーロッパで使われた教会音階の一つ。ほかにドリア旋法、フリギア旋法、ミクソリディア旋法などの種類がある。病癒えし者とは大病を患ったベートーヴェン自身のこと。ひとたび死を予感した作曲者の苦悩と、快癒したことへの感謝の念が綴られているとても感動的な楽章だ。「大フーガ」と言う訳のわからぬ大曲があるがために、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲群は、未だに霊峰のような偉大かつ謎めいた雰囲気を保ち続けているようである。ラサール四重奏団の演奏する古典の名曲は、独特の響きで心に迫ってきます。聴いていて嫌な音は何一つ立てない。スマートでストレートで腹にもたれないクールなもの。その後に現れた四重奏団に比べると、何か禁欲的なまでに「静謐な」演奏をする人達という印象もある。どこを取り出しても音色の質が均質というあたり、ハーゲン四重奏団の極限の音色感覚とかを聴いてしまうと、もっと細やかな描き分けが欲しいということも出てくるだろう。それがラサールの持ち味でもあるだろうが、これが聴く人によっては巌しく感じられる場合もあるのでしょう。ハーゲンの極限の音色感覚とかを聴いてしまうと、もっと細やかな描き分けが欲しいということも出てくるだろう。この大理石の現代彫刻に手で触れるかのような、現代的でありつつも安定感の高い落ち着いたひんやりとした感触に寧ろ安心感を感じるのです。彼らの演奏は、美しいアンサンブルの音色といった価値感や、作品から文学的なドラマや宗教的な迄の精神性といったようなものにその重点を置いてはいないようです。そのアンサンブルは、何処までも音そのもののリアリティが最優先され、結果聴く者に未聞の世界を体験させてくれます。

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  • DE DGG 2531 343 ラサール弦楽四重奏団 ジェームズ・レヴァイン シューマン・ピアノ五重奏 ブラームス・弦楽四重奏曲3番

    34-20518
    ジェームズ・レヴァインは才能を持て余してしまった指揮者。ピアノ、室内楽、コンサート指揮、オペラ指揮という4つの分野で活躍していた才能にはすごいものがありました。 ―  ジェームズ・レヴァインといえば、どんなオーケストラを指揮しても鳴りっぷりの良いサウンドを引き出す天才的な手腕と、楽曲構造を堅牢に示し、旋律も正確な拍でよく歌わせるという完成度の高い音楽づくりに特徴があります。10歳でピアニストとしてデビューしたレヴァインは、その後、ルドルフ・ゼルキンや、ジョゼフ・レヴィン、ジャン・モレル、そしてラサール四重奏団のワルター・レヴィンといった巨匠たちの薫陶を受け、さらに1965年からの5年間はジョージ・セルの助手を務めて実力をつけていきます。そうした努力が実って、1970年、27歳でフィラデルフィア管弦楽団で指揮者デビューして成功を収め、同年、サンフランシスコとウェールズではオペラ・デビューして評判となり、翌年にはメトロポリタン歌劇場にも登場、1973年にはシカゴ交響楽団のラヴィニア音楽祭音楽監督に就任するという、プロとして華々しいスタートを切ることになったレヴァイン。1980年代なかばにRCAからドイツ・グラモフォンに移ってからは、重厚さや抒情美への傾倒もみせるようになり、声楽大作の指揮でも実力を発揮しました。また、長年メトロポリタン歌劇場で培った劇場感覚を活かした起伏の大きな指揮にさらにスケール感が加わったのもこの時期の特徴で、1990年代なかばまでの約10年間に集中して数多くの録音を制作することになります。ピアノ、室内楽、コンサート指揮、オペラ指揮という4つの部門で腕を磨き、それぞれの分野で活躍していたレヴァインの才能にはすごいものがありましたが、レコーディングでもそれは確認することが可能です。ラサール弦楽四重奏団は、1946年にヴァイオリンのヴァルター・レヴィンによって結成され、寄贈されたアマティの楽器を用いて演奏してきました。メンバーはヴァルター・レヴィン(第1ヴァイオリン)、ヘンリー・メイヤー(第2ヴァイオリン)、ピーター・カムニツァー(ヴィオラ)、リー・ファイザー(チェロ)。1980年録音のシューマンのピアノ五重奏曲ではピアノにジェームズ・レヴァインを迎え、豪華な共演となっております。ラサール四重奏団の演奏する古典の名曲は、独特の響きで心に迫ってきます。聴いていて嫌な音は何一つ立てない。スマートでストレートで腹にもたれないクールなもの。その後に現れた四重奏団に比べると、何か禁欲的なまでに「静謐な」演奏をする人達という印象もある。どこを取り出しても音色の質が均質というあたり、ハーゲン四重奏団の極限の音色感覚とかを聴いてしまうと、もっと細やかな描き分けが欲しいということも出てくるだろう。それがラサールの持ち味でもあるだろうが、これが聴く人によっては巌しく感じられる場合もあるのでしょう。ハーゲンの極限の音色感覚とかを聴いてしまうと、もっと細やかな描き分けが欲しいということも出てくるだろう。この大理石の現代彫刻に手で触れるかのような、現代的でありつつも安定感の高い落ち着いたひんやりとした感触に寧ろ安心感を感じるのです。彼らの演奏は、美しいアンサンブルの音色といった価値感や、作品から文学的なドラマや宗教的な迄の精神性といったようなものにその重点を置いてはいないようです。そのアンサンブルは、何処までも音そのもののリアリティが最優先され、結果聴く者に未聞の世界を体験させてくれます。レヴァインは伴奏ピアニストとしてのうまさは定評あるものだが、この人は根が健全すぎないだろうか、決して弦楽器と張り合いすぎない巧妙なスタンスで役割を果たしている。その核融合が、恐らくこの演奏を口当たりのいいものにするのには相当貢献している。何かひどく静かな落ち着いた時間と空間の中にいるかのような感触がする。

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  • DE DGG 2531 209 ラサール弦楽四重奏団 リン・ハレル シューベルト・弦楽五重奏曲

    34-21089

    商品番号 34-21089

    通販レコード→独ブルーライン盤

    飽くなきリアリティを探究した〝アンサンブルの神〟 ―  この「弦楽五重奏曲ハ長調 D.956」は、1828年9月ごろ、同年11月のシューベルトの死の直前に書かれました。通常の弦楽四重奏にチェロがもう一人加わり、低音を軽やかにした五重奏になっています。シューベルトの五重奏曲は、その編成がユニークだ。ピアノ五重奏曲「ます」がチェロではなくコントラバスなのは、リズムを支えることから左手が自由になったピアノが闊達にメロディーを奏でられるように心配ったからだった。ピアニストは、同時期のシューベルトの室内楽曲を研究すると、ピアノでどのように対位法、リズム、音色を表現したらいいか、参考になるはずです。第2チェロを加える事で第1チェロが伴奏から開放された、シューベルトの弦楽五重奏曲は小さいオーケストラ曲といえるスケールが魅力だ。最小に切り詰めた弦楽四重奏では難しい、オーケストラ曲のような響きや発想で作曲されています。第1チェロは内声を担当し、時に、第2チェロと、ユニゾンでバスを弾きます。第2チェロは、この五重奏の土台となるバスを渾身の力で支えるのです。ラサール弦楽四重奏団は、1946年にヴァイオリンのヴァルター・レヴィンによって結成され、寄贈されたアマティの楽器を用いて演奏してきました。メンバーはヴァルター・レヴィン(第1ヴァイオリン)、ヘンリー・メイヤー(第2ヴァイオリン)、ピーター・カムニツァー(ヴィオラ)、リー・ファイザー(チェロ)。1977年録音の本盤は第2チェロにリン・ハレルを迎え、豪華な共演となっております。ラサール四重奏団の演奏する古典の名曲は、独特の響きで心に迫ってきます。これが聴く人によっては巌しく感じられる場合もあるのでしょう。彼らの演奏は、美しいアンサンブルの音色といった価値感や、作品から文学的なドラマや宗教的な迄の精神性といったようなものにその重点を置いてはいないようです。そのアンサンブルは、何処までも音そのもののリアリティが最優先され、結果聴く者に未聞の世界を体験させてくれます。多彩なレパートリーの中でもとりわけロマン派の作品を得意とした当団による演奏には定評があり、〝アンサンブルの神〟とも言える室内楽の極みを堪能させてくれます。

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  • DE DGG 2531 079 エミール・ギレリス エレーナ・ギレリス シューベルト・フランス風の主題によるディヴェルティスマン,ロンド,幻想曲,エコセーズ

    34-7986
    愛娘のエレーナ・ギレリスと録音した、一本の短編小説が想像出来るようなシューベルト ―  「幻想曲ヘ短調」は、シューベルト最期の1828年に作曲されたピアノ連弾曲です。シューベルトの30曲以上ある連弾曲の中でも、とりわけ高い音楽的内容をもつ傑作と言われています。連弾とは2人のピアニストが1台のピアノを低音と高音に役割を分担し演奏します。シューベルトの連弾曲の殆どはエステルハージー伯爵令嬢のマリーとカロリーネのピアノのレッスンのために作曲されています。この「幻想曲ヘ短調」はシューベルトが恋心を抱いた伯爵令嬢カロリーネのために自分の思いを込めて作曲し、カロリーネに献呈されています。曲は全体的にやや暗い雰囲気の中に哀愁帯びたメロディとその変奏で全曲が進みます。単一楽章形式ですが全体は大きく4つの部分で出来ていています。静かに始まるイントロから、ドラマチックで訴えかけてくるような旋律が惜しげもなく繰り出され、約18分半の長尺曲であるにも関わらずあっというまに過ぎ去ってしまいます。歌曲王のシューベルトだけあって、メロディだけのピアノ曲であっても物語性が濃厚なせいか、一本の短編小説が想像出来るような造りになっています。昨日のモーツァルトの「2台のピアノのための協奏曲」をさらに親密になっているようで、シューベルトの音楽を挟んで、数々の思い出話を対話しているようだ。エミール・ギレリスが愛娘エレーナと連弾を披露した1978年録音。飾っておきたいほどだ、ジャケットの表情が微笑ましい。2人の対話が弾んでいるようなだけでなく、「ラルゴ」から「アレグロ・ヴィヴァーチェ」へアップテンポ且つ熱情的に展開する箇所でもギレリス・デュオの息はピッタリで、ピアノ連弾の面白さが堪能出来ます。誰が言い出したのか、ギレリスのピアノは〝鋼鉄〟と比喩され、彼の演奏は常にそのイメージ、いや先入観をもって聴かれてしまったように思います。しかしながら、この〝鋼鉄〟は、あまりにも一面的な評価にすぎません。ギレリスのピアノ演奏は、その内面からくる音楽解釈の深さと卓越した技巧により常に私たちを魅了し続けており、現在でも多くの音楽ファンは楽曲の本質的な演奏をギレリスに求めています。名ピアニストの故ギレリスは強靱なタッチで迫力ある演奏を聴かせるばかりでなく、とっても繊細でロマンティックな所もあり、その対比が絶妙で実に素晴らしい。ギレリスが亡くなった齢はまだ69歳で、演奏旅行に出かける直前の予防注射の接種ミスとも言われる不幸な事故での急死だった。米ロの冷戦の最中、西側登場以前、以後ともに豊富な録音が残されていますが、ギレリス50歳代後半、まさに脂の乗り切った絶頂期の録音で若い時から比類ないと云われてきた完璧なテクニック、ピアノを豪快に鳴らしきった明快な音はそのままに表現は一層深みを増している感じ。

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  • DE DGG 2530 456 エミール・ギレリス エレーナ・ギレリス カール・ベーム ウィーン・フィル モーツァルト・2台のピアノのための協奏曲,ピアノ協奏曲27番

    34-20600
    予期せぬモーツァルト ―  ふたりの偉大な音楽家がそのキャリアの頂点で出会った当時、最高峰のモーツァルト演奏 ― ギレリスがソロとしての支配的な部分とオーケストラを補う部分を交互に演じることによって、演奏に寄与した。Linzer Volksblatt 紙評)エミール・ギレリスの協奏曲録音のなかで重要な位置を占める名盤の誉れ高い1973年録音。〝鋼鉄のピアニスト〟と呼ばれるだけあり、力感に満ちた表現を聴かせます。誰が言い出したのか、ギレリスのピアノは「鋼鉄」と比喩され、彼の演奏は常にそのイメージ、いや先入観をもって聴かれてしまったように思います。しかしながら、この「鋼鉄」は、あまりにも一面的な評価にすぎません。ギレリスのピアノ演奏は、その内面からくる音楽解釈の深さと卓越した技巧により常に私たちを魅了し続けており、現在でも多くの音楽ファンは楽曲の本質的な演奏をギレリスに求めています。名ピアニストの故エミール・ギレリスは強靱なタッチで迫力ある演奏を聴かせるばかりでなく、とっても繊細でロマンティックな所もあり、その対比が絶妙で実に素晴らしい。ギレリスが亡くなった齢はまだ69歳で、演奏旅行に出かける直前の予防注射の接種ミスとも言われる不幸な事故での急死だった。米ロの冷戦の最中、西側登場以前、以後ともに豊富な録音が残されていますが、ギレリス50歳代後半、まさに脂の乗り切った絶頂期の録音で若い時から比類ないと云われてきた完璧なテクニック、ピアノを豪快に鳴らしきった明快な音はそのままに表現は一層深みを増している感じ。モーツァルトを中心に据えたプログラムで構成されたザルツブルク音楽祭50周年の記念の1970年8月に、カール・ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とギレリスのモーツァルトのピアノ協奏曲第27番は〝予期せぬモーツァルト・フェスティヴァル〟に最大の貢献をした(Die Wochenpresse 紙のゲルハルト・マイヤー評)。〝世界最高のモーツァルト弾き〟であることが求められたギレリスであったが、その演奏は完璧であった。テンポやフレージングの選択は、細部としても全体としても齟齬がなく、ピアノとオーケストラの掛け合いも絶妙に構成されていた ― ギレリスが前面に出て来なかったわけでは決してないが良い意味で〝協奏曲的〟であった ― 全体として伝統的なモーツァルト解釈を尊重しつつも非常に自然で、それでいて説得力のある演奏だった。ふたりの偉大な音楽家がそのキャリアの頂点で出会ったのが、このザルツブルク音楽祭でのコンサートだった。この最高峰の音楽イヴェントは、ギレリスが当時最高のモーツァルト・ピアニストであったことを証明している。そしてまた、円熟期のベームはオーケストラを鼓舞し聴衆に感動を与える方法を知り尽くしており、彼らの期待以上の音楽を創造していたことを今に伝えている。その3年後にオーケストラはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に代わりムジークフェラインザールでのセッションが行われ本盤として結実した。ギレリスが正規盤として遺した数少ないモーツァルトの「ピアノ協奏曲」の1枚。しかも余白は親子の競演「2台のピアノのための協奏曲変ホ長調 K.365(316a)」は娘エレーナとの初共演録音でした。モーツァルトが死の年に書いた最後の「ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595」は、晩年の彼特有の清澄な作品として広く知られています。欧米をはじめ世界的な活躍を続けたピアニストのギレリスが、ベームとウィーン・フィルハーモニーの好サポートを得て行ったこの録音は、作品の本質を的確に捉えた詩情溢れる演奏として高い評価を得ています。明るい楽想に満ちた「2台のピアノのための協奏曲」は全体に喜ばしい気分が溢れる作品。巨匠ベームとウィーン・フィルのバックも素晴らしく「2台のための協奏曲」では父娘の息の合った絶妙なテクニックも聴きものです。また、ギレリスのベームとの唯一の共演盤でもあります。たっぷりしたテンポで愛情をこめて弾くピアノはあたたかい音色に芯があって美しく、現代ピアノで聴くモーツァルト演奏の喜びだ。遊びはなく禁欲的で第2楽章には感じ切った深い情感がこもる。大人の演奏だ。ベームもここでは比較的良い。第3楽章ではギレリスの技術のすごみ、指の回りが各所で看破できるが、それが音楽の本質にだけ寄与しているというのは演奏家として最高の境地ではないか。

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  • DE DGG 2530 258 エミール・ギレリス オイゲン・ヨッフム ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ブラームス・ピアノ協奏曲1番

    34-19319

    商品番号 34-19319

    通販レコード→独ブルーライン盤

    鋼鉄のピアニスト・ギレリスのすごさが如実に味わえる。ただただうっとり。 ―  ギレリスの協奏曲録音のなかで重要な位置を占める名盤の誉れ高い1972年録音。〝鋼鉄のピアニスト〟と呼ばれるだけあり、力感に満ちた表現を聴かせます。ただ、やり過ぎという感じはなく、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共に強い構成感を感じます。さらにオイゲン・ヨッフムとベルリン・フィルが絶妙なアンサンブルで、素晴らしいブラームスを奏でている。オーケストラやピアノの力量のすごいことはわかる。でも、こういうふうにやらなくても、ブラームスの圧倒的な凄さは現せるので、この演奏のよさがわからない。それでも、骨太のピアノとベルリン・フィルの完璧なアンサンブルは素晴らしい。名ピアニストの故エミール・ギレリスは強靱なタッチで迫力ある演奏を聴かせるばかりでなく、とっても繊細でロマンティックな所もあり、その対比が絶妙で実に素晴らしい。おそらくヨッフムとの相性も良いのだと思います。同時期にヨッフムはドレスデン国立管弦楽団とブルックナーの全集をEMIに入れている。ヨッフムがベルリン・フィルから見事なブラームス・トーンを引き出し、重厚感たっぷりの演奏を聴かせ、ドッシリ構えてギレリスをサポートしています。ブラームスのピアノ協奏曲は、オーケストラが重要な役割を果たす場面が連続する作品で、それだけに指揮者とオーケストラには、まるで交響曲のような演奏のグレードが求められるため、これまで名盤といわれてきたものの多くが、有名オーケストラと指揮者によるものだったのも頷けるところです。そうした名盤群の中でも、もっと気骨のある演奏が聴きたいと思ったとき、本盤は最適な巡り合わせとなる。このギレリスと名指揮者ヨッフム指揮ベルリン・フィルによる演奏で、パワフルなピアノと、オーケストラの壮大な演奏が、図抜けた存在感を示していたものでした。20世紀ドイツを代表する名匠ヨッフム(1902〜1987)は、1902年11月バーベンハウゼン生まれ。ドイツ・グラモフォンへ数多くの録音を特に1950、1960年代という壮年期に行っています。ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーという三大Bの作品では、最も熱く、渋く、重厚、そしてロマンティックで熱情的な演奏は、現在においても名盤として称賛され続けています。1972年にベルリンのイエス・キリスト教会で録音されたこの協奏曲は、従来のピアノ協奏曲とは一線を画した〝ピアノ付き交響曲〟といった趣の、気宇広大ともいえるスケールがある。抑制された沈鬱感が横溢する晦渋さを湛えた作品。この教会での録音ならではの野太い音質も功を奏し、きわめて重厚なサウンドがリスニング・ルームを埋め尽くしてくれます。ヨッフムとベルリン・フィルの純ドイツ的な響きも聴きもの。録音はややオーケストラから距離をおき、ピアノは適度に位置します。

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  • GB RCA RB-16142 エミール・ギレリス フリッツ・ライナー シカゴ交響楽団 ブラームス・ピアノ協奏曲2番

    34-19621

    商品番号 34-19621

    通販レコード→英レッド 銀文字 LIVING STEREO 盤

    エミール・ギレリス最盛期の最美のピアニズムとフリッツ・ライナー&シカゴ交響楽団全盛期の剛毅な響きを堪能できる名盤。 ― ライナー&シカゴ交響楽団の技量は圧巻であり、アンサンブルなどいささかも弛緩することはない。ブラームスのピアノ協奏曲第2番はチェロの独奏も聴き処。1953年、フリッツ・ライナーがシカゴ響に移るのに伴って移籍。1958年まで首席奏者だったヤーノシュ・シュタルケルの独奏が美しい第3楽章も聴きもので、これ以上豪華な演奏は他にちょっと見当たりません。鉄壁のアンサンブル、てきぱきした進行、金管楽器も木管楽器も完璧な技量を披露している。アルトゥーロ・トスカニーニとレパートリーも多く重なりブラームスの交響曲4番などを聴くとライナーがトスカニーニよりも厳格だったのでは、と思わせるくらい厳しい表情を見せています。第1楽章や第2楽章など、抒情的な美しさなど薬にしたくもなく圧巻の音塊が炸裂する。第3楽章になると、シュタルケルのチェロなどは美しい箇所も散見されるが、終楽章になると再び凄まじい進軍が開始される。ギレリスも凄い。鋼鉄のピアニストと称されたエミール・ギレリスが、その面目躍如たる硬質のタッチを示している。後年にヨッフムと録音した、やや角の取れた柔らかさがある仕上がりもギレリスらしさではあるが、鉄壁のライナー&シカゴ響と鋼鉄のギレリスのピアノが組み合わさると完璧な演奏が生み出されることになる好例としては本盤に軍配があがる。もちろん、ブラームスの音楽には卓越した技量や圧倒的な迫力だけではなく、人生の苦みを感じさせるような深みのある表現も不可欠なのは承知した上。ブラームスのピアノ協奏曲第2番の演奏史上、スコアを完璧に音化した演奏ということができる。虚飾を拝し、恐ろしいまでの緊張感の漂う筋肉質の演奏が多いイメージですが、この演奏は厳格なまでの音の彫琢はそのままで、ロマンティックで極めて柔軟なフレージングが聴かれる名演でした。シカゴのオーケストラ・ホールは、ボストン・シンフォニー・ホールよりも録音に向いていたようで、このホールで収録された1950年代・1960年代のライナー=シカゴ響の録音はいずれも高いクオリティに仕上がっており、オーケストラのトゥッティの響きと各パートのバランスの明晰さが両立した名録音が多いです。

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  • GB RCA SB6630 ロナルド・トゥリーニ ピアノ名曲撰

    GB RCA SB6630 ロナルド・トゥリーニ ピアノ名曲撰

    商品番号 34-753

    通販レコード→英DECCAプレス・ダーク・レッド銀文字盤

    ホロヴィッツの愛弟子であるロナルド・トゥリーニ ―  退屈したんで弟子をとったんだ。私の生徒として認めるのは、バイロン・ジャニス、ロナルド・トゥリーニ、ゲイリー・グラフマンだけだ。誰かほかの者が私の弟子だといっても、それは本当じゃない。私の前で演奏した者はほかにもいる。でも進歩しないんで教えるのをやめたんだ。彼らは私のいうことに従わなかったか、従えなかったんだ ― そう語るのは、ヴラディーミル・ホロヴィッツ。ロナルド・トゥリーニ(Ronald Turini)は1958年ジュネーヴ国際コンクールでポリーニと1位なしの2位を分け合った経歴をもつピアニストで、7人しかいないホロヴィッツの弟子の1人としても知られている名手。1934年9月30日ケベック州、モントリオール生まれ。10歳で、カナダ放送協会でプロのデビューを果たしました。ケベック音楽院の奨学金を16歳で受けて、ホロヴィッツの門をたたく。ホロヴィッツは彼の演奏を聴いて、十分に感心して師事を初めます。ホロヴィッツの弟子として喧伝されたカナダのピアニスト、トゥリーニのデビュー・リサイタル〝Piano Music Of Schumann, Liszt, Hindemith, Scriabin〟 ― シューマンのソナタ第2番ト短調作品22、リストの巡礼の年・第2年:イタリアから「ペトラルカのソネット第104番」、ハンガリー狂詩曲第12番、ヒンデミットのソナタ第2番とスクリャービンの8つの練習曲から第5番嬰ハ長調 作品42第5。

    Turini possesses all the qualities of intellect, manual dexterity and artistic insight necessary for a great pianist.

    1961年1月23日にカーネギー・ホールで行われたライヴ録音で、〝カーネギー・ホール125周年記念〟して発売されたCD43枚組の「グレート・モーメンツ・アット・カーネギー・ホール」でCD2枚にこの世の演奏会全てが聴ける。ほかにショパン、スカルラッティ、メンデルスゾーン、ラヴェルを披露している。ズービン・メータ指揮モントリオール交響楽団とシューマンのピアノ協奏曲も演奏しており、このとき「情熱と力」と「静かな感性」を併せ持つと賞賛された。以来、シカゴ、ナショナル、トロント、モントリオール交響楽団、ヨーロッパではロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団、ロンドン・フィル、BBC交響楽団、レニングラード・フィルなど多くのオーケストラと共演。その後、1964年と1967年にカーネギー・ホールで凱旋公演。翌1968年には、ヒンデミットの「ヴィオラとピアノのためのソナタ」の録音がグラミー賞の最優秀室内演奏賞にノミネートされました。その他の候補には、ジュリアン・ブリーム 、ヤッシャ・ハイフェッツ、アイザック・スターンのレコードが含まれる。彼は最初のカナダ人音楽家としてロシアの3回のツアーを達成したほか、南アメリカの3回のツアーを行い、2回の来日ツアーを行っている。グラモフォン誌は1965年にRCAレッドシールから発売された本盤に、〝数多いピアニストの演奏の中で、彼の多彩な音色はすぐ聴き分けられる〟〝類まれな能力のピアニスト〟と賞賛していました。

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