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  • リリー・クラウスの絶頂期の記録

    リリー・クラウスの絶頂期の記録

    日本人が愛するモーツァルトの名盤を、日本軍によって失っていたかもしれない。拘留され第二次世界大戦終結まで軟禁された女流ピアニスト。

    通販レコードのご案内《仏ディスコファイル・メタル使用盤》US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モーツァルト ピアノ奏鳴曲K.457/K.284/K.475

    ディスコフィル・フランセ録音

    モーツァルト弾きとして知られるリリー・クラウスの最高傑作盤です。米ハイドンソサエティの本盤は、晩年の米国コロムビア盤と比して若い所為か情熱を内に秘めた、生命感に溢れる演奏です。 他のピアニストと比べると、自由自在なテンポ設定でフォルテは強いタッチで鳴らし非常に個性的です。

    1. ピアノソナタ第14番 ハ短調 K.457
    2. ピアノソナタ第6番 ニ長調 K.284
    3. 幻想曲 ハ短調 K.475

    モーツァルトの音楽の持つ多様性を過不足なく的確に表現し、このフレーズはこうでなくては、と云うまさに正鵠を得た最高の演奏を聴かせてくれる。演奏家は身体で勝負するだけに、心身の衰えを如何にカバーしていくかが難しい。特に女性の場合、多くはそれに結婚・出産などが重なる。全身全霊を傾けた命がけの演奏家として、宇野功芳氏が挙げるのはアルゲリッチ、デュ・プレ、チョン・キョンファそれにリリー・クラウスと、みな女性だが長く第一線を保ち続けたのはクラウスぐらいで、彼女を驚異と宇野氏は捉えている。

    彼女らは、いわゆる女性的なものを押し出さず、火のような情熱と作品に切り込んでいく深みにおいて男性奏者に匹敵する。しかし、このまま死んでもいいというほどの燃え尽き方を男性奏者は絶対にしないものではないか。ハンガリー生まれのリリー・クラウスは「モーツァルトは燃え立つ火です」と語っているが、クラウスの演奏にはパッションの炎が確かに感じられる。当時の演奏家としてはテンポの緩急の巾が大きく、ダイナミクスの変化にも激しさを見せるのは、内面から湧き上がる情熱が自然体として表層に上がってきた音楽で、現代の演奏家が大ホールに響き渡るような派手なパフォーマンスを恣意的に行っているものとは根本的に異なるものです。

    ハ短調ソナタ K.457
    このソナタは、幸福感に満ちたK.330からK.333の4曲に続いて作曲された作品で、きわめて劇的な性格を持ったソナタであり、後のベートーヴェンにもっとも強く影響を与えた作品だといわれています。また、このソナタはK.475の《幻想曲ハ短調》とセットで演奏されることが多くて、その関係が昔からいろいろと取りざたされてきた作品でもあり、このレコードでも第6番を挟んで演奏されています。モーツァルトが2曲をその順序に組み合わせて出版したためでもあるのですが、しかし、両曲とも途中に明るいハ長調の部分があるにしても、基調はハ短調で深刻な情緒が支配的ですから、《幻想曲》だけ切り離して演奏したほうが効果的だという説も少なくありません。 モーツァルトが活躍した当時のコンサートではソナタの演奏に先立って幻想曲風の即興演奏を披露する事がよくあったそうです。このハ短調ソナタはモーツァルトの弟子であったトラットナー夫人のために書かれたもので、同じ調であるハ短調の幻想曲は彼女がコンサートで演奏するときのために、前半で披露する即興演奏のものとしてあらかじめ作曲したものではなかったのかというのが現在の定説となっています。手本としてモーツァルトが譜面にしたためた幻想曲を、夫人がいかに即興演奏としたかは想像を出ませんが、しかし、当時のピアノの可能性を限界まで使い切ったと思えるほどに広い音域とダイナミックな音量が求められるこのソナタを提供されたトラットナー夫人はそれなりの技量を持った女性であっただろうことが想像されます。 第6番のピアノソナタは、オペラの上演のために冬を過ごしたミュンヘンでデュルニッツ男爵からの注文に応えて作曲した、19歳の時の作品です。ニ長調という性格からも、明らかにハイドン風の特徴を持っていますが、今までの即興演奏などでため込んできたあれこれのアイデアをここに凝縮してまとめたものと思える、規模が大きく、まるで交響曲をピアノ用に編曲したような風情だといわれてきました。また、第3楽章の大規模な変奏曲形式はモーツァルトのソナタとしては他に例がなく、厳格な父レオポルドもこの作品をとても高く評価していました。とりわけ33小節にも及ぶアダージョ・カンタービレの第11変奏は本当に美しい音楽です。 ベートーヴェンに影響を与えた強烈なソナタと、即興演奏の風情のあるピアノ作品を組み合わせた、リリー・クラウスの演奏はモーツァルトの書いた音符を正確にバランスよく響かせることに意を注ぐのではなくて、モーツァルトが音符を使って書いた「心のドラマ」を再現しようと言うものです。譜面をめくる音も聞き取れることから、細切れの録音ではなく何回かテイクをとって、そのうちベストのものを採用しているようです。そのことも、このレコードの価値を高めているのかもしれません。彼女の演奏に虚心坦懐に耳を傾ければ、モーツァルトがこの音楽にこめた深い感情がヒシヒシと伝わってきます。そして、「人生は美しい、人生は生きるに足る」というモーツァルトのささやきが心に染みいってきます。

    リリー・クラウスのピアノはくっきりとしたフレージングで、モーツァルトのピアノ・ソナタなどは最近よく聴くような軽やかで透明感があるようなものとはまったく違って、正統派にして刺激的な歯ごたえがある。神経質では無い思い切りの良さが有る意味〝男性的〟ですが、モーツァルトに対する途方も無く深い愛情を本質に持つので、どの曲を聴いていても少しも飽きることなくモーツァルトの音楽がどんどんと心の中に浸みこんで来ます。

    1956年パリ録音。

    通販レコード詳細・コンディション、価格

    プロダクト

    レコード番号
    HS-9056
    作曲家
    ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
    演奏者
    リリー・クラウス
    録音種別
    MONO

    販売レコードのカバー、レーベル写真

    • US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モ…
    • US HAYDN SOCIETY HS9056 リリー・クラウス モ…

    コンディション

    ジャケット状態
    M-
    レコード状態
    M-
    製盤国
    US(アメリカ合衆国)盤
    “Haydn Society” DARK GREEN WITH SILVER LETTERING, MONO 1枚組 (170g), Stamper 仏ディスコファイル メタル XTV 使用盤。

    通販レコード

    詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
    • オーダー番号34-25929
    • 販売価格5,500円(税込)
  • 民族音楽への興味 ― 歌というものに対して不親切な時代における、ひとつの光明だ。

    民族音楽への興味 ― 歌というものに対して不親切な時代における、ひとつの光明だ。

    旋律は音楽の魂である。

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    “3大ヴァイオリン協奏曲”というのがある。ベートーヴェン、メンデルスゾーンに、ブラームスかチャイコフスキーの、何れかが挙げられる。 ― 3曲目が難しいので、“4大”にすると激論にならない。しかし、ほかにもヴァイオリン協奏曲には名作が数多い。
    “10大”となれば必ず入選するのが、ドイツの作曲家マックス・ブルッフの代表作、ヴァイオリン協奏曲第1番だ。

    (さらに…)

  • “Refuge in Music” クラシック音楽のごちそうさん 110歳の天寿

    “Refuge in Music” クラシック音楽のごちそうさん 110歳の天寿

    Farewell Alice Herz-Sommer! We are saddened to hear that the visionary musician and survivor of the Theresienstadt concentration camp died yesterday. Her love of music and belief in its power brought solace and hope to many in one of history’s darkest hours.

    Daniel Hope interviewed Herz-Sommer just a few months ago as part of the documentary “Refuge in Music”, a tribute to the musicians of the concentration camp “Terezin”. You can learn more about the film here: http://bit.ly/TerezinDVD

  • 指揮者クラウディオ・アバドをしのんで

    指揮者クラウディオ・アバドをしのんで

    音楽を楽しむ。それがピシっとした指揮姿から良く感じられたクラウディオ・アバドが亡くなって今月20日で、ひと月となる。

    エグモントの音楽

    BSプレミアムでは2014年2月10日、2つの演奏会が放送された。
    前半は2012年のルツェルン音楽祭から、演奏会の様子は9月2日に Medici.tv で放送された。演奏会は8月10日。全体的にまだらな空白が客席に目立つのはマーラーの交響曲第8番からベートーヴェンの『エグモント』とモーツァルトの『レクイエム』に変更になったからだろう。

    この二曲なら大きいホールは必要ではなかったと思えるように、音響が遠い。迫力は薄めだけど、その分残響に助けられて聴きやすい。前半のベートーヴェンは、序曲は聴きなじんだもの。期待通り、セオリー通りの音楽となっていた。ソプラノのユリアーネ・バンゼのグレートヒェンは清楚な印象。ブルーノ・ガンツは語りで PA を使用したものでしたが全体整っていて違和感はなかった。

    オーケストラの中にクラリネットのザビーネ・マイヤーを見つけた。

    後半のレクイエムはオーケストラも加わったことで、前半の音響はかなり改善されている。ただ合唱の響きがオーケストラを圧するところがある。でも、キャパが大きい効果か澄んだ音楽に仕上がっている。

    モーツァルトと弟子たちの共作としての《レクイエム》

    ソプラノはアンナ・プロハスカ。バスはルネ・パーペ。テノールのマキシミリアン・シュミットはペーター・シュライアーを思い出させる。アルトのサラ・ミンガルドも理想に合う。リヒターが指揮した『レクイエム』の大好きな録音に並ぶ。

    『レクイエム』はモーツァルトの最後の未完の作品であるのはご存知でしょう。自筆で残っているのは最初の2曲のみ。あとは弟子に口述して引き継がせました。あちらこちらにモーツァルトが完成していたら、もっと違う音楽に広がったんじゃないかなと思えるポイントが有ります。アバドはそういう期待も思わせながら、モーツァルトが描き上げた部分も書き上げなかった部分も一体とした音楽を作ります。

    多くの録音が前半、後半と切り替える雰囲気があるのにアバドはアーメンをブリッジにして後半に音楽の気持ちを引き継いでいる。各曲を細切れにすること無く本来のプログラムがマーラーの千人の交響曲だったことを思い起こさせた演奏になった。

    永遠の安息を、そして永遠の光に

    現代の時間の中で再構成されたモーツァルトの音楽といえるだろう。言い換えれば、古楽演奏を学びとはしているけれどもモダン・オーケストラで楽しく聞かせていると言えば分り易いだろうか。
    この演奏は現代音楽の響きに馴染んだ耳も楽しませる。もし《レクイエム》かぁ、と食指を伸ばさなかったままだったら後半だけでも聞き返して欲しい。

    もちろんいろいろなモーツァルトのレクイエムを聞いてきていたら、複数の版があるのを面白く並べ替えているというパズル的興味も持たされる。

    最後のアーメン・フーガがまるごとカットされていて、そのかわり無音の中でアバドは一分間指揮棒を旨に抱いたまま黙祷する。

    死は嘆き、省みるものではなくて生きている人が先に進むためにあるものなのです。

  • Maria Callas, 1963

    Maria Callas, 1963

    『マリア・カラスの真実』(フランス2007年。日本では2009年公開)は、マリア・カラスの生涯に焦点を当てたドキュメンタリー映画です。
    有名なオペラ歌手ですが、後年、睡眠薬大量摂取での自殺未遂、睡眠薬や興奮剤を乱用し、肺血栓で53歳で亡くなりました。
    なぜ、命を縮めるようなことを行い、50代という若さで亡くなったのでしょうか。

    映画は彼女の生涯を追います。

    母親は男の子を望んでいましたが、生まれたのは女の子マリア。失望した母親は4日間も受け取りを拒否・・・マリアの兄が2歳で脳膜炎で亡くなり、母親は次の子は男の子を、と青い産着まで用意したそうです。
    歓迎されず、居場所もありませんでした。

    6度の引っ越し。セールスマンの父は不在がち。家族団欒もありません。ハーレムの近くに引っ越しますが、母親は環境に馴染ませようとせず、部屋に閉じ込め、通りで遊ぶことも禁じました。
    マリアは自分を無口で汚いと思っていて、学校では友人がなく「友達と遊んでも楽しくなかった」と彼女は語ります。
    唯一の友、飼っていた小鳥に歌っていたマリアの歌の才能に気づいた母は条件付きで愛するようになります。
    また母親は、自身の大女優になる夢を押し付けた部分もあったようです。

    映画の中でマリアが語ります。
    「自分で決めた道ではなく、家族が決めた。家族と摩擦を起こさない為、従うしかなった」
    「母がレールを敷いた。母は仕切っていた」
    「親の代わりに出世しろ」
    「お前の為に犠牲を払った」
    「母からお金をくれないと新聞にぶちまける、と強請られた」とまで語る。そんな母親 を、晩年まで許せなかったそうです。

    映画は「この世に彼女の居場所はない。声だけが残った。」というナレーションの後、彼女の歌声で幕となります。

    Maria Callas, 1963, in Paris, accompanying herself on the piano.

  • DE DECCA SBA25 046-D/1-4 ロベルト・シュトルツ ルドルフ・モラルト ウィーン国立歌劇場管 ギューデン ローゼ グルンデン クメント デンヒ レハール・メリー・ウィドウ&ジュディッタ

    34-11895

    商品番号 34-11895

    通販レコード→独ダーク・ブルー黒文字盤

    皆様をウィーンに誘う魅力タップリ。 ―  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏は、蓄音機時代から数多くレコードが聴かれ続けています。ブルーノ・ワルターとの田園交響曲やモーツァルト、マーラーは現代でも避けては通れない音楽遺産です。レコード発売を目的としたものではない大戦前のウィーン国立歌劇場のライブ録音が、たくさんあります。クレメンス・クラウスが資料的なものとして録音を認めたことから1933年から始まったもので、クラウスがウィーンを去った後も続き、1944年まで続けられたものです。テープレコーダーが実験段階だった頃で、SP盤への録音のため、せいぜい数分程度ずつの断片的なものでしたが、この時代にこれだけまとまった数の録音は非常に貴重。この時代に登場する指揮者といえば、このクラウスをはじめ、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ワルター、ハンス・クナッパーツブッシュ、カール・ベーム、ヴィクトル・デ=サーバタ、リヒャルト・シュトラウス、ロベルト・ヘーガー、ルドルフ・モラルト、レオポルト・ルートヴィヒ、フランツ・レハール、NHK交響楽団でお馴染みのヴィルヘルム・ロイプナー、フェリックス・ワインガルトナーなど、錚々たる面々。クラウスがウィーン国立歌劇場の音楽総監督に就任したのは、36歳の時。1歳下のベームが1回目のウィーン国立歌劇場の音楽総監督に就いたのは49歳の時、ヘルベルト・フォン・カラヤンが就任した時には48歳ですから、クラウスが生粋のウィーンっ子とは言え、いかに才能が高く評価されていたかの現れでしょう。しかも、クラウスが辞任した1933年をもって、ウィーン・フィルが常任指揮者制度を廃止しています。余談ながら、1930年からはフルトヴェングラーの後任としてウィーン・フィルの常任指揮者となったクラウスは、ベルリン国立歌劇場の音楽総監督、そして1937年から終戦までバイエルン国立歌劇場の音楽総監督を務めて、1941年から1944年までザルツブルク音楽祭の音楽総監督を務めるなど、映画「サウンド・オブ・ミュージック」が描くような、ワルターやカラヤンら多くの音楽家が翻弄している渦中にあって、これでもかというくらい独墺圏のポストを広く席巻してます。

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  • NL PHILIPS GL5703-5 ルドルフ・モラルト ウィーン響 シュティヒ=ランダル マラニウク クメント ベリー シュッティ エルンスター モーツァルト・コジ・ファン・トゥッテ

    34-14244

    商品番号 34-14244

    通販レコード→ 蘭レッド銀文字盤

    オペラ全曲盤の第1号。何も知らない人が最初に、このレコードを買ったら「コジ・ファン・トゥッテ」とはこんなもんだと思いこんでしまうでしょう。 ―  ルドルフ・モラルトの「ドン・ジョヴァンニ」は、よく見るが「コシ・ファン・トゥッテ」は非常に珍しい。表紙が双子風の娘が夫々ブルーとピンクの服をまとい、片手に白いパラソルを持っている写真。バラ3枚のフィリップス盤。レーベルはボルドー・ワイン・レッドに銀文字。これは1950年代ウィーンの伝説的な〝モーツァルト・アンサンブル〟によるモーツァルト・オペラの偉業です。1950年代のウィーンは戦災復興が精力的に開始されていた時期で、文化面でも古き良き時代を懐かしむ活動が盛んになる機運があった。ナチズムの洗礼を受けなかったヨーゼフ・クリップスを中心にしたモーツァルト・オペラ上演の新しい動きとして伝説的な〝モーツァルト・アンサンブル〟があり、ウィーンの人々によるドイツ語のオペラ上演が繰り返されていた。クリップスのほかには、本盤の指揮者モラルト(1902〜1958)やカール・ベームが有名でウィーン国立歌劇場での練り上げられたドイツ語による翻訳上演でした。舞台装置などは簡素化されていたが、今ではレコードでしか知らぬ有名歌手たちにより室内オペラ的にアンサンブルの良さを身上とした、謂わば意気の合った舞台を楽しむことが出来たとされている。モーツァルト生誕200年の1956年に向けてレコード会社各社はモーツァルトのオペラ全曲録音に取り組んでいました。折しも78回転SP盤に代わるLPという新しい再生メディアの黎明期であり、録音再生技術の向上とともにより鮮明な再生音を家庭で手軽に味わうことが出来るようになった時代。繊細な音色までをも細かく収録することのできるこの新しいメディアの、そして戦後の新興レコード会社の一つ、フィリップス・レーベルの象徴ともなったのです。ウィーン国立歌劇場で上演されたものですが、ウィーン・フィルがデッカ社との専属契約だったため、フィリップス社はウィーン交響楽団とダ・ポンテ三部作を録音、「フィガロの結婚」はベーム、「ドン・ジョヴァンニ」と「コジ・ファン・トゥッテ」はモラルトが担当しました。中でも「ドン・ジョヴァンニ」はジョージ・ロンドンの誇り高く颯爽としたタイトルロールを筆頭に、ヴァルター・ベリー、ヒルデ・ツァデク、レオポルド・シモノー、セーナ・ユリナッチ、グラツィエッラ・シュッティ、ルートヴィヒ・ウェーバーと空前のオールスターキャスト。後にドン・ジョヴァンニで名を馳せるウィーンの名バリトン、エーベルハルト・ヴェヒターがマゼットを歌っているのですから驚きです。モラルトの颯爽とした気持ちよい音楽は、今聞いても一向に古びておらず、ウィーン響も素敵なウィーンの音色を放っています。さて、モラルトは「ドン・ジョヴァンニ」の時と違って、モラルト自身この「コジ・ファン・トゥッテ」に対して解釈がはっきりとしない部分があり、劇の進行に従って確信が持てなくなって気持ちに揺らぎが出てきた。何も知らない人が最初に、このレコードを買ったら「コジ・ファン・トゥッテ」とはこんなもんだと思いこんでしまうでしょう。

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  • GB FONTANA SFL14012-4 カール・ベーム ウィーン響 セーナ・ユリナッチ モーツァルト・フィガロの結婚

    34-11409

    商品番号 34-11409

    通販レコード→ 英シルバー・アンド・ライトブルー銀文字盤 [オリジナル]

    モノラル録音の疑似ステレオ盤だが、是は成功している。 ―  セーナ・ユリナッチの清潔で膨らみのある歌声が、この役には非常によく合っている。彼女が歌い出すと空気が変わるというか、聖域にふれているような心地にさせられる。これぞ美声中の美声である。本名はスレブレンカ・ユリナッチ。正確には〝ユリナッ〟ではなく〝ユリナッ〟らしいが、本人にはこだわりはなく、「名前なんて、いつもそんなものです」と述べている人柄が反映されているのか、そこには作品のエッセンスを聴き手の耳の奥、心の奥にまで確実に届ける恩寵のような力も備わっているばかりか、声域が広く、ソプラノからメゾ・ソプラノまで自在に歌っていたユリナッチのレパートリーはかなり広い。『コジ・ファン・トゥッテ』ではフィオルディリージ役、ドラベルラ役の両方で成功しているほどだ。豊かで深みがあり、あたたかく、声域全体のトーンが安定している。当たり役をしぼると、『ポッペアの戴冠』のポッペア、『イドメネオ』のイリア、『コジ・ファン・トゥッテ』のフィオルディリージとドラベルラ、『フィガロの結婚』のケルビーノと伯爵夫人、『フィデリオ』のレオノーレ、『ドン・カルロ』のエリザベッタ、『イェヌーファ』と『蝶々夫人』と『トスカ』のタイトルロール、『ばらの騎士』のオクタヴィアン、『ナクソス島のアリアドネ』の作曲家あたりになるだろうか。とにかく、どの役も甲乙つけがたく、水準が高いので、これさえ聴いておけば十分というものを数枚に限定するのは不可能である。1956年、当時62歳だった巨匠カール・ベームが振ったウィーン交響楽団との『フィガロの結婚』は、役柄に違和感を感じる声質の歌手は居ない。〝古き良きウィーン〟が其処に在る。本盤で歌う、ユリナッチが素晴らしい。伯爵夫人役を内面から掴んでいることがわかる。第2幕冒頭のカヴァティーナ「愛の神よ(Porgi, amor)」での、音楽が止まりそうな遅いテンポで歌われる彼女の貫禄ある歌唱。第3幕のアリア「楽しい思い出はどこへ(Dove sono)」は色気ムンムン。夫の心変わりを嘆きながらも、清楚さと軽やかさを残している伯爵夫人だ。アルマヴィーヴァ伯爵はパウル・シェフラーだが、変に威圧感も出さず高潔な存在感を示している。フィガロのワルター・ベリーも27歳の若さだったが、演技は抑えて歌い崩しが無い。其れはスザンナのリタ・シュトライヒも同様だ。歌手は全体に粒が揃っている。それにしても巨匠の指揮は堅実で優雅だ。テンポは寧ろ普通なのに実際の速度よりも遅く感じてしまう。細部をおろそかにしない、地に足のついた演奏でありながら独特の推進力がある。ベーム調に完全ドライブしたモーツァルト、ベームならではの質実剛健なアプローチが作品本来の味わいをよく引き出しています。

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  • GB PHILIPS ABL3213 カール・ベーム ウィーン響 シュティヒ=ランダル マラニウク クメント ベーメ ウィーン国立歌劇場合唱団 モーツァルト・レクイエム

    34-20625

    商品番号 34-20625

    通販レコード→ 英ダーク・プラム銀文字盤 Minigroove

    魂を抉るが如く生々しい叫びが聴こえる! ―  カラヤンの手兵だったウィーン交響楽団との演奏だ。ウィーン・フィルでも無く、ベルリン・フィルでもなく、ウィーン交響楽団のエネルギーを徹底的に内燃させた響きが素晴らしい。ベームが、反対派(=カラヤン派)の陰謀にウィーン国立歌劇場監督の地位を辞任した直後の録音である。テレサ・シュティヒ=ランダル、イーラ・マラニウク、ヴァルデマル・クメント、クルト・ベーメ、いずれも充分な実力と風格と初々しさも兼ね備えた素晴らしい歌唱を聴く事が出来る独唱陣も充実の限りといえる。ドキュメントと扱われがちだがモーツァルト生誕200年を前に、ステレオに移行する直前のこと、各レコード・レーベルから目白押しでレクイエムのモノラル・レコードが登場した。極めつけは、モーツァルトの命日にゆかりのシュテファン大聖堂での式典も含めたライヴ録音だろう。ベーム1回目の〝モーツァルト・レクイエム〟録音。2回目のウィーン・フィルとのステレオ録音とともに名盤として知られています。カール・ベームはモーツァルトやリヒャルト・シュトラウスの録音をずいぶん聴きましたが、巨匠指揮者のレコーディングで残念なのが宗教音楽やオラトリオが少ない。1960年代にバッハのマタイ受難曲を振ってる巨匠で在りながら、映像で残っているものも在るというのに実際のレコーディングに反映されてないのは残念である。カラヤンとベルリン・フィルのモダン・オーケストラの機能を120%活用したような演奏も見事なものですが、ウィーン響の質朴な音も全編活力に満ちたベーム絶頂期に合っているように思える名演奏。精気あふれた剛毅な演奏は高く評価され、各国のレコード賞を受賞。1970年代を過ぎてテンポがゆったりとなり全体の造形がそれまでの楷書体から草書体に変化した印象を受けるようになったが、そのイメージで聴きだすとあまりの優美さに面食らうかもしれない。第1曲の「入祭文」は、実に落ち着きのあるテンポで始まる。何の装飾の無い素直な合唱も好ましい、そこで対象となるのは、1971年に再録したレコードとの違いだが、ここでは魂を抉るが如く生々しい叫びが聴こえる。第2曲の、「怒りの日」の激しさは物凄い衝撃である。その第5部の「呪われし者を愧服せしめて、烈しき焔に渡し給わん時」と絶筆箇所がある第6部の「かの日や涙の日となるかな」と歌われる合唱の慟哭感も、感情移入できる不思議な体験ができる。ベームはあくまでも真摯にジュスマイヤーが補完した後半も含めて全曲に統一した精神を貫いている。第6曲の「神の子羊」の澄んだ歌聖も、まるで別世界である。第7曲「永遠の光」で終曲を迎えるが慈悲深さは何たる事だろう。本盤は厳しいまでに端正で古典的な佇まいと、凝縮された推力とエネルギーを併せ持っている。

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  • NL PHILIPS 412 524-1 アンドレ・プレヴィン ウィーン・フィル モーツァルト「ピアノ協奏曲24番、17番」

    34-20280

    商品番号 34-20280

    通販レコード→ 蘭シルバー黒文字盤 DIGITAL

    絶妙! ―  モーツァルトの光と影を美しくうたう。客演でも、その演奏効果を十分にオーケストラから引き出すアンドレ・プレヴィン。重厚一筋のオーケストラからだろうと、しなやかさを引き出せるのは彼ならでは。若き日にジャズ・ピアニストとして培ったリズム感と、ハリウッド映画の作曲を通して身に付けた音楽の伝わり方のわかり易さと手際良さ、そして指揮法の師であるピエール・モントゥー譲りのオーケストラを自在に操るテクニックとで、プレヴィンの品のあるベーゼンドルファーの燻銀の音色とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の美しく柔らかな音色が調和しており非常に美しい。プレヴィンの演奏は、あくまでも淀みのない流れと瑞々しいリズムが信条。こんなに美しいモーツァルトのピアノ協奏曲第17番の演奏を知らない。融通無碍で美の極致のゆくピアノ、しなやかで甘美なウィーン・フィルの音。この曲に相応しい爽やかなテクスチュアと無理のないテンポが心地よく、奇を衒ったところのない素直なフレージングがどこまでも続きますが、さりげなく施されている内声の絡み合いの充実ぶりにプレヴィンの天才的な冴えを感じずに入られません。上品でソフトな語り口が、この作品にふさわしいものです。オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の母であるゾフィー大公妃に因んで付けられた、ゾフィエンザールでの優秀録音。温泉を模した温水プールが備えられ、冬場の間は、巨大な空間を活用して期間限定の舞踏会場として使用された。ヨハン・シュトラウス2世の『朝の新聞』や『加速度円舞曲』、ヨーゼフ・シュトラウスの『天体の音楽』、フランツ・レハールの『金と銀』など、多くの作曲家の新作がここで初演され、1950年代からはデッカ・レコードが録音会場として使用し始めた。クラシック音楽好きなら、デッカのウィーン録音の名録音盤に記載された「ゾフィエンザール(Sofiensaal)」というクレジットを数え切れないほど目にしているだったが、2001年8月16日、失火により大部分が焼失し廃墟となり、2012年に取り壊された。ジャズ・ピアノの天才少年だったプレヴィンによる、ウィーン・フィルを弾き振りしたモーツァルトです。「ウィンナートーン」の代名詞となったベーゼンドルファーの一音一音をたっぷりと響かせ、「至福のピアニッシモ」といわれる美しい響きを大切にしてロマンティックに美しく音楽を紡いでゆきます。プレヴィンの持つ柔軟で暖かな音楽性とウィーン・フィルは抜群の相性の良さだ。このコンビの演奏は多々あるが、聴くたびに幸福感に包まれる希代の名演奏だ。

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  • NL PHILIPS 420 161-1 アンドレ・プレヴィン ウィーン・フィル エーファ・リント クリスティーン・ケアーンズ ウィーン・ジュネス合唱団 メンデルスゾーン「夏の夜の夢」

    34-20428

    一斉に妖精の羽ばたきが始まる。 ―  最初の木管楽器の柔らかく軽やかな音色から、聴くものを幻想的な世界に誘う屈指の名盤。弱音部分の美しさに耳を傾け、聞き惚れてしまった。いったい、何人の妖精たちが羽ばたいているのやら。とてもキュートな妖精が、たくさん周りに取り囲んでいる。序曲部分の弦のこまかな動きを初めとして、描写の豊かさもあるが、夜想曲のような暖かみある、ゆったり感が良い。客演でも、その演奏効果を十分にオーケストラから引き出すアンドレ・プレヴィン。重厚一筋のオーケストラからだろうと、しなやかさを引き出せるのは彼ならでは。その反面となるのが、得手・不得手がとても分かりやすい指揮者のようです。ロンドン交響楽団時代のプレヴィンこそ、若き日にジャズピアニストとして培ったリズム感と、ハリウッド映画の作曲を通して身に付けた音楽の伝わり方のわかり易さと手際良さ、そして指揮法の師であるピエール・モントゥー譲りのオーケストラを自在に操るテクニックとが一気に開花した絶頂期にあった。そのロンドン響を指揮した1976年盤に続き、プレヴィンにとっては2度目の録音となった『真夏の夜の夢』。本盤でも、プレヴィンの卓越した指揮にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が見事に応え、幻想的な音世界を創り出している1985年録音盤。 いや、合奏の精度で及ばない。このウィーン・フィル盤の方がリズムの切れが良く、軽やかだ。響きのムードも一枚上で、有名な「結婚行進曲」などで違いが出た、世評の高い名盤です。歌手もこちらの方が可愛らしく曲に合っている。全体に表情がおおらかで、音楽が伸びやかで、音色も美しく、おそらくこの曲に対してある程度共有的に期待されている表情のイマジネーション、例えば幻想的な音楽の起伏、メルヘン的な色彩、あるいはユーモア・ロマンといった要素を、最大公約数的に持つ演奏。ハリウッド映画の作・編曲家であったプレヴィンならではの演出の巧さが光る。プレヴィンの演奏は、あくまでも淀みのない流れと瑞々しいリズムが信条。この曲に相応しい爽やかなテクスチュアと無理のないテンポが心地よく、奇を衒ったところのない素直なフレージングがどこまでも続きますが、さりげなく施されている内声の絡み合いの充実ぶりにプレヴィンの天才的な冴えを感じずに入られません。上品でソフトな語り口が、この作品にふさわしいものです。

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  • NL PHILIPS 9500 972 アンドレ・プレヴィン ピッツバーグ交響楽団 チャイコフスキー・交響曲4番

    34-13634

    商品番号 34-13634

    通販レコード→ 蘭レッド・レーベル白文字盤 DIGITAL

    オーケストラの名手ぶりに目(耳)を見張るととも第2充実期のプレヴィンが到達した驚きの名演 ―  アンドレ・プレヴィンの演奏は、あくまでも淀みのない流れと瑞々しいリズムが信条。ロンドン交響楽団時代のプレヴィンこそ、若き日にジャズピアニストとして培ったリズム感と、ハリウッド映画の作曲を通して身に付けた音楽のわかり易さと手際良さ、そして指揮法の師であるピエール・モントゥー譲りのオーケストラを自在に操るテクニックとが一気に開花した絶頂期にあった。本盤の演奏はいかにも、この曲に相応しい爽やかなテクスチュアと無理のないテンポが心地よく、奇を衒ったところのない素直なフレージングがどこまでも続きますが、さりげなく施されている内声の絡み合いの充実ぶりにプレヴィンの天才的な冴えを感じずに入られません。SPレコード、LPレコード通して〝チャイコフスキーの交響曲第4番〟は名演盤が目白押し。ヘルベルト・フォン・カラヤンの巧さやレナード・バーンスタインの情熱、エフゲニー・ムラヴィンスキーの透徹感、そうしたものとは全く無縁のプレヴィンのチャイコフスキーは魅力。プレヴィンの指揮もロンドンを離れ、表現の幅を増し、個性を増したように感じる。ドイツ的な音色を持つピッバーク響の影響もあろうが、焦らず、急がず、じっくりと演奏している。この演奏ではプレヴィンはチャイコフスキーの持ち味である美しいメロディラインを際だたせるために、かなりレガートをかけた響きをオーケストラに求めていて上品さを保った中でピッツバーグ響も伸びやかに演奏しています。ここに鳴る音楽はプレヴィンが感じたチャイコフスキーの抒情とメロディメーカーとしての旋律美の表出の見事な結晶だ。ロンドン響を辞めた後はアメリカに帰り、1970年代後半からピッツバーグ交響楽団の音楽監督となった。ヨーロッパでの足場はロンドンからウィーンに移している。ピッツバーク響での録音は少ないながら、イギリスEMI から オランダPHILIPS にも録音するようになり音楽のイメージが変わりつつあった時期でもある。EMI 録音がすべて悪いわけではないが PHILIPS に移っての録音は爽やかさ、すっきり感はそのままに音に深みと重厚さが加わった。

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  • GB Chandos ABRD1179 マリス・ヤンソンス オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 チャイコフスキー・交響曲3番

    34-14620

    商品番号 34-14620

    通販レコード→ 英ブルー・レーベル黒文字盤 DIGITAL

    管弦のまとまりがよく、厭味の無い爽やかな演奏。 ― 瑞々しさと疾走感がとても眩しい、マリス・ヤンソンス初期の代表的なレコーディング。1986年、43歳の若さあふれる指揮ぶりは、早めのテンポのなかに、リズム感あふれ弾みまくり、思い切り旋律を歌わせた恰幅のよさに、この頃のヤンソンスの音楽づくりの姿をみてとれるチャイコフスキーでした。チャイコフスキーの交響曲の中で唯一の長調で書かれた、舞曲風の伸びやかな音楽にあふれた素敵な作品です。4~6番はともかくとして、ロシアの大地と民族色も匂わせる1~3番の魅力もチャイコフスキーの交響曲を聴く楽しみ。構成感よりは、旋律重視のメロディアス・シンフォニーたち。終楽章のポロネーズのリズムからきている「ポーランド」の愛称も、バレエ音楽のような印象を受ける。オスロ・フィルハーモニー管弦楽団の高域の澄んだ、北欧風の音色もまたうれしい。36歳のヤンソンスがオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任したのは1979年。その当時は一地方団体とみなされていたこのオーケストラを短期間で国際的水準にまで高めた気鋭ぶりは大変に有名ですが、オスロ・フィルの側も、1977年に新設されたフィルハーモニック・ホールに本拠を移し、これに伴う組織改編でメンバーが大幅に若返るなど従来にない意欲の高まりがあって、ヤンソンスの果敢な指導を積極的に受け入れたと伝えられています。その上昇機運を証明するかのように両者は1983年にイギリス・ツアーを行い、大成功させます。そのイギリスからの帰国直後、ヤンソンスとオスロ・フィルはそれまでの成果を世に問うために本拠で自費録音をおこなってデモ・テープを作り、このテープに収められたチャイコフスキーの交響曲第5番を聴いたシャンドス・レーベルの首脳が即座に交響曲全集レコーディングの契約を決断した、という逸話はあまりにも有名です。録音で先行して存在が知れることとなった、このオーケストラの響きは、しなやかで、瑞々しい音色、北欧特有の叙情性に富んでいるとされる。ノルウェーのオスロを拠点とするこのオーケストラは、クリスチャニア協会のオーケストラとして結成されたのが1867年と古く、結成時はグリーグも指揮者として登壇したが、後しばらく低迷期もあった。そこで国内外から積極的に指揮者を招き、とくにオド・グレネ=ヘッゲが戦前の1931年から33年と戦後の1945年から62年の合わせて20年近くこのオーケストラに尽くしたことで、飛躍的に水準が上がった。その音楽監督の後任をヘルベルト・ブロムシュテット〜オッコ・カム〜マリス・ヤンソンスへとバトンされることで、実演や録音において国際的な評価を得るまでに成長した。とくに積極的に展開するヤンソンスとの23年間にわたる期間は実り多き時代であった。そして、チャイコフスキーの交響曲第5番のシャンドス・レーベルへの売り込みが功を奏し、全集を録音して成功を足がかりに、さらにはEMIとも契約を結び、シベリウス、ショスタコーヴィチ、ドヴォルザークなどの交響曲を録音することとなる。

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  • GB Chandos ABRD1173 マリス・ヤンソンス オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 チャイコフスキー・交響曲2番、イタリア奇想曲

    34-14650

    商品番号 34-14650

    通販レコード→ 英ブルー・レーベル黒文字盤 DIGITAL

    きりっと仕上げた濃厚系 ― マリス・ヤンソンス初期の代表的なレコーディング。CD時代になって、EMIバジェット・シリーズで名前を覚えた。サイモン・ラトルがイギリス音楽の指揮者で、ウォルフガング・サヴァリッシュのNHK交響楽団での活躍を注目していた頃だ。36歳のヤンソンスがオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任したのは1979年。その当時は一地方団体とみなされていたこのオーケストラを短期間で国際的水準にまで高めた気鋭ぶりは大変に有名ですが、オスロ・フィルの側も、1977年に新設されたフィルハーモニック・ホールに本拠を移し、これに伴う組織改編でメンバーが大幅に若返るなど従来にない意欲の高まりがあって、ヤンソンスの果敢な指導を積極的に受け入れたと伝えられています。その上昇機運を証明するかのように両者は1983年にイギリス・ツアーを行い、大成功させます。そのイギリスからの帰国直後、ヤンソンスとオスロ・フィルはそれまでの成果を世に問うために本拠で自費録音をおこなってデモ・テープを作り、このテープに収められたチャイコフスキーの交響曲第5番を聴いたシャンドス・レーベルの首脳が即座に交響曲全集レコーディングの契約を決断した、という逸話はあまりにも有名です。もちろん、シャンドスでの第5番は後の正式なセッション・レコーディングによるものですが、そうした逸話を生々しく再現するかのような若々しい意欲がレコードを通じて感じられることは事実で、日本でもチャイコフスキーの初期の交響曲を聴く機会を得られたことを支持するリスナーが数多いこと、そしてヤンソンス自身「自分のもっとも優れたレコーディングのひとつ」とたびたび述べていることも、その名演ぶりを裏書きしていると言えるでしょう。最近でもヤンソンスは2004年にバイエルン放送交響楽団と『悲愴』をはじめとして、ライヴ録音しており密度の高い見事な演奏を披露していますが、本盤で聴くことができる壮快な熱気とオスロ・フィルとの組み合わせならではの透明度の高いリリシズムにはまた別な魅力が備わっていると言えるでしょう。マエストロの伝説を語る時に引き合いに出せる記念碑と言いたいレコードです。

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  • GB Chandos DBRD2003 ジェフリー・サイモン ロンドン交響楽団 チャイコフスキー・管弦楽曲集

    34-20464

    商品番号 34-20464

    通販レコード→ 英ブルー・レーベル黒文字盤 DIGITAL

    ユニークな企画の火付け役 ― ストコフスキー・フリークでもある指揮者、ジェフリー・サイモンは企画プロデューサーとしても抜群。クラシック・レコード業界に旋風を巻き起こすのも性に合うのだろう。ストコフスキー協会会長でもあるだけに留まらず、ロンドンで自らCALAレーベルを設立して、その復刻に尽力。彼の意向が反映した埋もれた作品の発掘にも積極的で、大作曲家の珍しい作品ばかりを世に出して話題となった世界初録音盤も多く存在します。こういう企画趣旨の元集うレコーディングは、きっと充実していたに違いない。本盤でも、そうした特徴が顕著に現れている。幻想序曲『ロメオとジュリエット』は初稿版を使用したレア録音。チャイコフスキーは交響曲第1番と第2番の作曲時期の合間にあたる1869年にこの初稿版を書き上げているのだが、冒頭部分に「ローレンス僧」の主題はなく、実に平和でのどかな雰囲気の旋律でスタートするので、一聴して現在演奏される曲とは全く違う版となっている事に、まずびっくりさせられてしまう。その後、「ロメオとジュリエット」のテーマは出てくるものの、「ローレンス僧」の主題がないので中間部のトランペットも現在と違ったフレーズになっている。手が加えられ、1880年に現在演奏される形となる頃は、交響曲第4番を含む、後期3大交響曲に取り組む時期であった事もあり作曲者の最も油の乗り切ったオーケストレーションに進化を遂げていることが、改めて認識できて興味深い。珍しい曲と、優秀録音。印象に残るジャケット・デザインで話題となった、シャンドスを代表する録音だ。

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